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しげよし未払い、警察へ相談(後) 民事で解決できず警察へ、広がる未払いに連携呼び掛け

 仕出し弁当フランチャイズ「しげよし」を巡る未払い問題で、弁当製造代行費用の回収を求め、支払督促から債権差押えまで進めた長崎市の「笑幸」代表・小川真氏。前編では、差押え後も回収に至らず、長崎警察署へ相談し、担当刑事が寿美家和久の小清水丈久社長に直接連絡するまでの経緯を追った。
 後編では、裁判所の手続きを経てもなお支払いを受けられない現状を踏まえ、小川氏がなぜ「民事だけでは解決できない」と考えるに至ったのかを聞く。さらに、全国の加盟店や取引先、元従業員などから寄せられる未払いの訴えを背景に、同様の問題を抱える関係者との連携を呼び掛ける理由と、小清水氏に対する思いに迫る。

「主張するなら裁判手続きの中で」

 ㈱寿美家和久の代表取締役・小清水丈久氏の返事に対して小川真氏は、本件はすでに裁判所の手続きを経て差押えまで行われている案件であり、取引内容に相違があったというのであれば、裁判所の手続きの中で申し立てるべきだったと返信した。

 「誠実な対応をする業者だったら、私が請求書を送った時点で『少し下げてもらえませんか』などと交渉してきてしかるべきだった」小川氏はそう話す。

 今回、小川氏が設定した8月7日の期限を過ぎても入金はなく、その後、小清水氏からの返信もないという。裁判所への申立費用などを含め、現在の請求額は約15万円としている。

「民事だけでは解決できない」(小川氏)

 支払督促から差押えまで自ら手続きを進めた小川氏にとって、最も大きかったのは、法的手続きを進めても、差し押さえることのできる財産がなければ実際の回収につながらないという現実だった。
 「裁判所の手続きが済んで差押えまで行っても、今回みたいに債務者の方が支払わないという選択をしても、罰せられないということは知らなかった」
 小川氏は取材でこう振り返った。

 そこで次に向かったのが警察だった。
 小川氏によると、これまで複数の警察に相談する中で、寿美家和久側から支払いを受けたケースもあることなどから、刑事事件として扱うことの難しさについて説明を受けたという。

 小川氏はこうした状況から、一部への支払いによって刑事事件化を避けようとしているのではないかとの疑念も抱いている。
 「返す意思はあるけれど今は払えないと言われて、何件かは払っている事実があるとすれば、刑事事件には持っていきづらい。あえてそうしているのかなという気がする」
 さらに、こうした対応について「分かっていて、のらりくらりと逃れられる手法を使っているのではないか」と語った。

全国から寄せられる未払いの訴え

 小川氏の問題は、しげよしを巡る未払い問題の1つにすぎない。
 編集部ではこれまで、加盟店オーナー、元従業員、取引先事業者、ライターなど、さまざまな立場の関係者を取材してきた。

 加盟店からは売上金などが支払われないとの訴え、元従業員からは給与が支払われていないとの訴え、取引先からは商品やサービスを提供したにもかかわらず代金が入金されないとの訴えが寄せられている。

 消費者からも、注文がキャンセルされたにもかかわらず返金されない、あるいは加盟店と本部の双方へ代金を支払うことになったといった相談が、適格消費者団体などに寄せられており、同団体は消費者庁に特商法に基づく申出書を送付した。

 編集部が取材してきた加盟店の中には、数百万円規模の未払いを訴えるケースもある。

 こうした複数の問題が、それぞれ独立して発生したものなのか。それとも、その背景に共通する原因があるのか。編集部ではこれまで、加盟店、元従業員、取引先などへの取材を重ね、その実態を検証してきた。

「もう止めなきゃいけない」(小川氏)

 小川氏が今回の取材で最も強く訴えたのが、同様の問題を抱える関係者との連携である。
 「私の後にも今年になってから、同じように被害に遭われている方が見受けられる。もう止めなきゃいけないと思います」

 小川氏によれば、警察への相談の中で、複数の関係者の状況を集めて提出することについて話があったという。
 そこで小川氏は、加盟店や取引先、元従業員などに対し、自身へ情報を寄せるよう呼び掛ける。

 「皆さんの状況とか、お声をいただいて、警察にも動いてもらうしかないんじゃないかと思います。警察とのやり取りは私がして構いませんので、同様または関連する被害に遭われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ私まで情報をお寄せください」
 すでに複数の関係者から声が寄せられているとしており、今後、情報を取りまとめて警察へ相談する考えだ。

「被害者と向き合ってもらいたい」(小川氏)

 取材の最後、小川氏は小清水氏に対する思いを語った。
 「飲食業って、食べていただく方を喜ばせて、幸せにして、その対価としてお金をいただく仕事だと私は思っています」

 商品を納品した取引先への未払いだけでなく、自身がこれまでに聞いた従業員や加盟店、消費者を巡る問題にも触れ、「単なる資金繰りの問題とか、ただのトラブルじゃ済まされないと思う」と話した。

 二宮尊徳の言葉として「道徳なき経済は犯罪である」を挙げ、「こんな仕組みや、こんなやり方を考える力があるんだったら、その力を真っ当な商売に向けて、約束を守り、周囲から信頼を得る商売の仕方をコツコツとやっていかないと」と訴えた。

 その言葉は、批判だけでは終わらなかった。
 
 「ここからでも遅くはないと思う。ご自身とよく向き合って、良心に従って責任ある行動を取っていただきたい。被害者の方とも向き合っていただきたい」
 小川氏はそう締めくくった。

 編集部では今回のオンライン取材の模様をYouTubeでも公開する予定だ。一連の問題を受けて編集部では11日、小清水氏本人にFAXとメールで、以下のような質問書を送ってある。回答期限は今月21日(金)だ。

(了)
【田代 宏】

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