しげよし未払い、警察へ相談(前) 差押え後も回収できず、製造代行業者が訴え
仕出し弁当フランチャイズ「しげよし」を巡る未払い問題で、弁当製造代行費用の支払督促から債権差押えまで進めた長崎市の「笑幸」代表・小川真氏が、実名で取材に応じた。差押え後も回収できず、7月末には長崎警察署へ相談。担当刑事が寿美家和久の小清水丈久社長に直接連絡したものの、改めて設定した支払期限を過ぎても入金はなかったという。
小川氏は今後、同様の問題を抱える関係者から情報を集め、警察への相談を続ける考えだ。
差押え経て警察へ、実名で訴え
裁判所の手続きを経て支払い義務が確定し、債権差押えまで申し立てた。それでも金銭は戻ってこない――。
仕出し弁当フランチャイズ「しげよし」を運営する㈱寿美家和久(三重県津市、小清水丈久社長)との間で、弁当製造代行費用の未払いを巡り法的手続きを進めてきた長崎市の「笑幸」代表・小川真氏が9日、ウェルネスデイリーニュースのオンライン取材に応じた。
小川氏は7月末、長崎警察署刑事課へ相談。担当刑事が小清水氏に直接連絡した後、小清水氏から小川氏へ連絡があった。しかし、小川氏が改めて設定した8月7日の支払期限を過ぎても入金はなかったという。
支払督促から債権差押えまで進めても回収できない現実を経験した小川氏は、「裁判所の手続きが済んで差押えまで行っても、債務者が支払わないという選択をしても罰せられないということを知らなかった」と話す。
今回、小川氏はこれまで匿名の「O氏」として取材に応じてきた立場から実名での取材に切り替えた。同様の問題を抱える加盟店や取引先、元従業員などに情報提供を呼び掛け、寄せられた情報を集約して警察へ相談していく考えという。
支払督促から差し押さえへ、寿美家は異議唱えず
編集部は6月30日付記事「しげよし製造代行業者も未払い訴え 支払督促から債権差し押さえへ、裁判資料で見えた紛争」において、小川氏が2025年11月に寿美家和久から依頼を受けてステーキ弁当の製造・配送業務を行ったものの、食材代を含む13万4,500円が支払われず、支払督促から債権差押えへ進んだ経緯を報じた。
これまでに編集部が確認した裁判資料によると、小川氏は1月13日、寿美家和久に内容証明郵便を送り、未払いとなっていた13万4,500円の支払いを求めた。
その後、津簡易裁判所へ支払督促を申し立て、裁判所は2月に支払督促を発付。3月には仮執行宣言付支払督促を発付した。寿美家和久から異議申し立てはなかった。
小川氏はさらに、寿美家和久が賃貸人に対して有する敷金返還請求権を対象として債権差押命令を申し立てた。ところが、第三債務者が津地方裁判所へ提出した陳述書には、寿美家和久に未払賃料元金約417万6,400円があることなどが記載されており、回収には至らなかった。
長崎署の刑事、小清水氏に直接連絡
差押え後も支払いがなかったことから、小川氏は7月31日、長崎警察署へ電話で相談した。来署するよう求められ、刑事課でこれまでの経緯を説明したという。
担当刑事は小川氏の話を聞いた上で、「私が1本電話を入れてみましょうか」と申し出た。
民事上の問題であるため警察が支払いを命じることはできないものの、小清水氏本人に連絡し、小川氏と話をするよう促したという。小川氏は「親身になってやっていただいて、ありがたかった」と振り返る。
刑事はまず、しげよし側の店舗へ電話した。小川氏によれば、応対した従業員は「しげよしは倒産した」との趣旨の説明をしたという。
その後、小川氏が伝えた小清水氏の携帯電話にも連絡。その場では電話に出なかったが、小川氏が帰宅した後、刑事から「小清水氏と話ができた」と連絡があった。
刑事は未払いで困っている小川氏の状況を伝え、小清水氏から本人へ直接連絡するよう促したという。
小清水氏「直ちに支払える資金状況にない」
その後、小清水氏から小川氏の携帯電話に着信があった。
小川氏は、やり取りを記録として残すため電話には出ず、SMSまたはメールで連絡するよう求めた。
その上で振込口座と請求金額を示し、8月7日までの支払いを要求。期日までに支払いがない場合には、再度、長崎警察署へ相談する予定であることも伝えた。
これに対し、小清水氏から7月31日夜に返信があった。
小川氏が取材で読み上げた返信によると、小清水氏は支払いが滞っていることを謝罪。その上で、「会社が継続できる状況ではなく、現時点で直ちにお支払いできる資金状況にはありません」と説明した。
さらに、当時の取引について、品質面や追加配達費用などを巡って双方の認識に相違があり、寿美家和久側も原材料費などを負担しているとして、請求金額について「精算、相殺を含めた協議が必要」と主張。「現時点で請求金額をそのまま支払うことをお約束することはできません」と回答したという。
他方、「ご連絡を絶つ意思や、本件を放置する意思は一切ない」とし、今後も書面などでやり取りを続け、「誠実に協議させていただきたい」とした。
(つづく)
【田代 宏】
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