1. HOME
  2. 健康食品
  3. サプリメントの目的とは何か 「通常の食事による栄養摂取・生理機能の補助」、消費者庁の素案が概ね了承 

サプリメントの目的とは何か 「通常の食事による栄養摂取・生理機能の補助」、消費者庁の素案が概ね了承 

 厚生労働省と消費者庁が連携して検討を進めている今後のサプリメント規制の在り方について、規制の前提となるサプリメントの定義の他、製造・品質管理に関する規制の方向性と内容が見えてきた。

 生体への機能性が期待できる一方で、過剰摂取等のリスクがあるサプリメントを巡っては、食品ではなく医薬品でもない独立したカテゴリとして取り扱うべきだとする声もある。ただ、諸外国においてサプリメントを法令上、「食品と医薬品以外の第3のカテゴリとして取り扱っている国はなく、輸出入等の手続に影響を及ぼすおそれもある」(消費者庁)ことを理由に、あくまでも食品の法体系の中で規制されていく方向だ。

 定義のうち目的については、食品衛生法上で「通常の食事による栄養摂取または生理機能の調節を補助することが目的とされる食品」と規定される方向だ。機能性表示食品や栄養機能食品などの保健機能食品から、それ以外の「その他のいわゆる健康食品」までのサプリメントを横串で定義する。

 そして定義に合致する錠剤・カプセル剤・液剤・粉末剤などの加工食品に対し、GMP(適正製造規範)基準を遵守した製造・品質管理が食品衛生法上義務付けられる。生理作用等がある機能性成分を配合したサプリメント的なグミやチョコレートなどの加工食品も、定義に当てはまれば規制の対象となる。ただ、GMP遵守義務の適用対象からは当面のところ除外され、これまでと同様、事業者による自主的なGMP遵守の取り組みが促されていく方向だ。

消費者庁の新開発食品調査部会、3時間議論

 消費者庁の食品衛生基準審議会新開発食品調査部会は23日午後にオンライン会議を開催。事務局の同庁食品衛生基準審査課が提案した、サプリメントの定義に関する素案と製造管理に関する規制の方向性について議論した。

 提案の中身は、部会が昨年から進めてきた健康食品業界団体・消費者団体などからのヒアリングや、部会委員の意見を踏まえて取りまとめられた。会議は3時間超に及んだ。委員がさまざまな角度から意見を述べ、特に、定義(目的)と、グミ等のGMP規制適用除外の方向性に対する異論が目立った。「GMPに対応できないのであれば、サプリメントとして販売するべきではない」などとする意見も挙げられた。それでも、最終的には同課が示した案を大筋で了承した。

 食品衛生基準審査課が用意した定義に関する素案は、サプリメントとは「通常の食事による栄養摂取または生理機能の調節を補助することが目的とされる食品」であって、①当該食品に含まれる成分の一部または全部が製造工程において濃縮されたもの、②錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤等の摂取の容易な形状であるもの、③その他過剰摂取のおそれのあるもの──のいずれかとしている。

 サプリメントとは、食事を「補助」するものであり、それを「代替」できるものではないことを明確にした形だ。その上で、「サプリメントの在り方として一般的」(同課)な、食品の三次機能(生体調節機能)を得るために、本来体内に存在しない物質を摂取する概念が排除されないようにする意図がある。EUでは、サプリメントの定義について、「通常の食事を補うことを目的とし、栄養的または生理的効果を有する栄養素、その他の物質を濃縮したものを(中略)一定の少量単位で摂取するように設計され、販売される食品」としており、食事の補助としての生理機能を目的とすることには国際性がある。

 一方で、部会委員からは、「生理機能の調節」の補助を目的に取り入れた場合の消費者誤認の恐れを懸念する声が上がった。それを目的にするのであれば、その補助を期待してサプリメントを摂取する消費者に対する「エビデンス(科学的根拠)が必要になる」という意見も。

 他方で、提案した側の同課はこの部分に強いこだわりを見せ、会議開始時点で提案した「~を補助することを目的とした食品」の文言を、「~を補助することが目的とされる食品」と受身形に修正することで委員の了承を得られるようにした。だが、それでもなお、消費者の誤認を防ぐために、「目的」ではなく「期待」に表現を改めるよう求める声は収まらなかった。同課は今後、法令上の定義の目的規定に「期待」の文言を使用している例があるか調べる。

取りまとめ後、議論の舞台は厚労省へ

 同課は今後、次回の部会に向けて、取りまとめ案の作成を進める。今後のサプリメントの規制の在り方を巡っては、厚生労働省の厚生科学審議会食品衛生監視部会が、健康被害情報の事業者による報告と、営業の許可・届出について検討を行うことになっている。消費者庁での取りまとめが終わり次第、議論・検討の舞台は厚生労働省に移り、同省食品監視安全課を中心に最終的な取りまとめが行われる。

 なお、消費者庁の食品衛生基準審査課長は23日の会議終了後、サプリメントの定義やGMP義務化の規定を法令にどう落とし込むかについて、食品衛生法の第13条に定める規格基準を用いる方針を示した。この場合、同法を改正する必要はない。

【石川太郎】

関連資料:令和8年度第1回食品衛生基準審議会新開発食品調査部会配布資料「サプリメントに関する規制のあり方」は消費者庁のウェブサイトから

【サプリ規制の在り方検討】
関連記事:サプリ規制の在り方検討がスタート
    :営業の許可・届出、審議事項に追加
    :定義、「形状だけで判断すべきでない」
    :サプリメントの定義なき時代に終止符か
    :消費者委員会、検討の行方注視
    :取りまとめは2026年4月以降に 
    :サプリの定義、議論スタート
    :サプリとは何か、GMPは義務化か
    :消費者庁が論点 方向性示さず「どう考えるか」問う
    :消費者庁食品衛生基準審査課長インタビュー 行政は原材料事業者に何を求める
    :サプリの定義と規制の行方 「機能性食品」提唱から40年、問われる日本の選択

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ