新開発食品調査部会が中間とりまとめ サプリメントを横串で定義、GMP原則義務化と整理
サプリメントの規制の在り方のうち、法令上の定義と製造管理の在り方を昨年11月から審議してきた、消費者庁の食品衛生基準審議会新開発食品調査部会は9日、中間とりまとめを行った。
制度上、サプリメントを食品に位置付け、食品衛生法上で定義する。機能性表示食品や栄養機能食品などの保健機能食品を除外せず、食品において横串を刺す形で定義する。食品の中でサプリメントを独立させるイメージ。その上で、GMP(適正製造規範)の遵守を基本的に義務付け、適正な製造管理を事業者に求める。
続いて厚労省食品衛生監視部会で審議
中間とりまとめは近く、厚生労働省の厚生科学審議会食品衛生監視部会に引き継がれる。サプリメントの規制の在り方検討のうち、食品衛生監視部会の検討事項となっている、事業者による健康被害情報の報告のほか、営業許可・届け出の検討と合わせ、さらに検討を進める。最終的なとりまとめは、食品衛生監視部会で行う。
中間とりまとめの案は、食品衛生基準審議会の事務局を務める消費者庁の食品衛生基準審査課が、これまでの審議を踏まえて作成。9日の部会は、中間とりまとめ案の審議で約2時間半を要した。さまざまな意見が挙がったものの、案に盛り込まれた定義や製造管理の在り方の本質を揺るがすような意見はなく、大筋で了承された。意見を踏まえ、書きぶりが一部修正されるにとどまる。
中間とりまとめでは、サプリメントの法令上の定義を、「イメージ」として提示。今後の食品衛生監視部会における審議や法令審査などで「調整の必要が生じ得る」ことが踏まえられた。ただ、大きな変更はないとみられる。
「通常の食事による栄養摂取又は通常の食事による生理機能の調節を補助することが目的とされる食品であって、当該食品に含まれる成分の一部又は全部が製造工程において濃縮されたもの、錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤等の摂取の容易な形状であるものその他過剰摂取のおそれのあるもの」が、日本では初となるサプリメントの法令上の定義として策定される見通しだ。法令上の名称は今後の検討となる。
中間とりまとめでは、この定義に照らしたサプリメント該当性の判断について、「事業者及び消費者の理解に資するよう」、事務連絡(Q&A)等で考え方を適切に示す必要性を指摘している。
製造管理の在り方に関しては、GMPの遵守を義務付けることが適当だとされた。法令上のサプリメントのうち、錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤等の、いわゆる「サプリ形状」の食品にGMPの遵守を義務付ける。
一方で、サプリ形状以外のグミやゼリーなど、一般加工食品と同様の形状のサプリメントに関しては、一般食品業界の実態を踏まえ、「当面の間」は遵守義務の対象から除外。中間とりまとめでは、「除外措置は当面のもの。GMP遵守の義務付けに至る具体的な道筋を明確化することが必要だ」としている。
原材料に関する意見、やはりなく
中間とりまとめには、サプリメントの原材料の取扱いに関する考え方も盛り込まれた。新開発食品調査部会は、一連の審議を通じ、原材料に関しては特に意見を上げなかった。このため、食品衛生基準審査課が提案した方向性がほぼそのまま中間とりまとめに反映された。サプリメントの原材料の特性を踏まえ、「一律にGMP遵守の義務を課すことは、規制の実効性から見て困難な実情があると考えられる」ことから、原材料に関してはGMP遵守義務の適用範囲外とする。
9日の部会でも、原材料に対して、委員は意見を述べなかった。ただ、中間とりまとめでは、「原材料に係る安全性の確認を求めていくことが重要」だとしている。
【石川太郎】
(冒頭の写真:2026年6月9日にオンライン開催された新開発食品調査部会の様子)
関連資料:「中間とりまとめ(案)」など2026年6月9日新開発食品調査部会配布資料は消費者庁のウェブサイトから
【サプリ規制の在り方検討】
関連記事:①サプリ規制の在り方検討がスタート
:②営業の許可・届出、審議事項に追加
:③定義、「形状だけで判断すべきでない」
:④サプリメントの定義なき時代に終止符か
:⑤消費者委員会、検討の行方注視
:⑥取りまとめは2026年4月以降に
:⑦消費者庁食品衛生基準審査課長インタビュー 行政は原材料事業者に何を求める
:⑧サプリの定義と規制の行方 「機能性食品」提唱から40年、問われる日本の選択
:⑨サプリの定義、議論スタート
:⑩サプリとは何か、GMPは義務化か
:⑪消費者庁が論点 方向性示さず「どう考えるか」問う
:⑫サプリメントの目的とは何か 「通常の食事による栄養摂取・生理機能の補助」
:⑬グミと原材料、GMP義務化巡り温度差
:⑭グミ形状サプリGMP義務除外に懸念 厚労省食品衛生監視部会

