農水省、国際標準戦略を策定 農林水産業の海外展開へ重点3分野を設定
農林水産省は24日、「食料・農林水産業の国際標準戦略」を策定したと発表した。内閣府知的財産戦略本部が決定した「新たな国際標準戦略」を踏まえ、有識者による検討会での議論を経て取りまとめたもの。
食料供給の不安定化などの社会課題に対応しながら、日本の技術や産品、価値を海外へ展開・普及させることを目指す。
同戦略では、国際標準化を目的そのものではなく、地球規模の課題解決と我が国の食料・農林水産業の成長を実現するための戦略的な手段と位置付けた。
対象は、農業、林業、水産業の一次産業から食品の加工・製造、流通、消費までを含むフードサプライチェーン全体と、それらを支える関連技術・サービスとしている。知的財産については「農林水産省知的財産戦略2030」に基づき、オープンとクローズを組み合わせた戦略的な活用を進める考えを示した。
重点3分野で標準化を推進
戦略では、日本の強みを生かせる重点領域として、①高品質・高付加価値の農林水産物・食品(輸出)、②持続可能な農林水産業・食品産業(スマート農業、フードテックなど)、③GHG(温室効果ガス)削減・吸収ビジネス――の3分野を設定した。
これらの分野で国際標準化を進めることにより、環境負荷の低減や省力化を図るとともに、生産性向上と持続可能性の維持を目指す。
4つの施策を柱に体制整備
重点領域を推進するための施策として、①産学官金の連携強化と産業界の主体的な参画促進、②人材育成を核とした「標準エコシステム」の構築、③省内推進体制の整備とオールジャパンによるガバナンス強化、④国際機関でのポスト獲得など戦略的な国際連携――の4項目を掲げた。
また、戦略の実効性を確保するため、国内外の国際標準活動を継続的にモニタリングし、官民で情報を共有するとともに、重点領域や施策の進捗を定期的に確認する。社会情勢の変化に応じて戦略を見直し、各重点領域の取り組みを具体化・加速させるとしている。
パブリックコメントは22件
戦略案に対する意見募集では、22の個人・団体から意見が寄せられた。
国際標準戦略の方向性を評価する意見がある一方、アニマルウェルフェア(動物福祉)の位置付けや食料安全保障、国内主導の制度運営などに関する意見も提出された。
農水省は、知的財産については「農林水産省知的財産戦略2030」に基づき、オープンとクローズの双方を踏まえて施策を進める考えを示したほか、動物福祉を含む複数の意見については「食料・農林水産業の発展に資するよう国際標準化政策を推進していく」と回答している。

