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栄養機能食品の表示基準改正 上限値や機能表示見直し、30年3月まで経過措置

 消費者庁は1日、栄養機能食品の栄養成分の下限値・上限値や機能表示の文言などを見直す「食品表示基準の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第89号)を公布、同日施行した。経過措置期間は2030年3月31日まで。同庁は同日、改正案に対するパブリックコメントの結果も公表した。

 意見募集は7月1~30日に実施し、17件の意見が寄せられた。1件に複数の内容を含むものを分割すると24項目。このほか、今回の意見募集と直接関係しない意見が6件あった。

上限値引き上げ、過剰摂取に懸念

 栄養機能食品の栄養成分の上限値を巡っては、亜鉛を15mgから17mg、マグネシウムを300mgから320mgに引き上げることについて、複数商品を併用した場合の過剰摂取リスクを踏まえ、より慎重な安全マージンの設定や注意喚起の強化を求める意見が寄せられた。

 消費者庁は、国が定める上限値である以上、安全性の確保が特に重要との考えを示した。食事からの習慣的な摂取量と栄養機能食品から摂取し得る量の双方を考慮し、日本人の食事摂取基準も踏まえて算出方法を整理したとしている。

 ビタミンDなど、栄養機能食品の上限値が栄養素等表示基準値を下回る成分について、基準値を考慮した上限値とすべきとの意見もあった。

 消費者庁は、栄養素等表示基準値について、食事からの習慣的な摂取量を含む1日当たりの栄養素等摂取量の目安と説明。耐容上限量(UL)が設定されている成分では、ULから日本人の平均的な摂取量を差し引いた値と医薬部外品の1日最大分量を比較し、低い方を上限値として設定するとした。

栄養機能の表示文言も見直し

 栄養成分の機能表示についても複数の意見が寄せられた。亜鉛では、「たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ」とする現行の機能表示を削除することへの疑問が示された。

 消費者庁は、「たんぱく質や核酸の代謝を助ける」機能の結果として「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」機能があり、前者は後者に至る途中の機能であると説明。他の栄養成分の機能表示との整合性も考慮し、最終的な機能を表示するとの考えから削除したとしている。

 「栄養素です」と「栄養素のひとつです」の使い分けについても意見が出た。
 消費者庁は、同じような機能を持つ栄養成分が複数存在する場合などには「栄養素のひとつです」とし、栄養機能食品の対象となる栄養成分のうち、ある機能を持つ成分が1つだけの場合に限って「栄養素です」と整理した。
 栄養成分に複数の機能がある場合、任意の機能だけを表示できるよう求める意見に対しては、認めない考えを示した。一部だけを表示すると、消費者が同じ栄養成分を含む商品を異なる機能の商品と受け取り、複数の商品を選択して重複摂取する可能性があると指摘。食品表示基準別表第11に掲げる機能を全て記載するとした。

経過措置は2030年3月末まで

 経過措置を巡っては、下限値・上限値の変更によって製品設計の見直しが生じるほか、機能表示や摂取上の注意事項の変更に伴って容器包装の改版も必要になるとして、2030年度末製造分まで延長するよう求める意見があった。

 消費者庁は、こうした対応に一定の時間が必要になることを踏まえ、公布日を施行日とした上で、経過措置期間を2030年3月31日まで設けた。

サプリの過剰摂取に懸念も

 パブコメでは、栄養機能食品の表示文言が消費者に過度な期待を抱かせることへの懸念も示された。栄養機能食品は個別の商品ごとに国が有効性や安全性を審査し、効果を保証する制度ではないとして、サプリメントなどの必要性を過度に印象付けない表示や、過剰摂取への注意を求める意見が寄せられた。高齢者や妊娠中の人、持病がある人、複数のサプリメントや医薬品を併用する人について、過剰摂取や相互作用のリスクを考慮すべきとの指摘もあった。

 消費者庁は、栄養機能食品には「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と表示するほか、消費者庁長官による個別審査を受けたものではない旨を表示することが義務付けられていると説明した。

 全ての栄養機能食品について、多量摂取によって疾病が治癒したり、より健康が増進したりするものではないことや、1日の摂取目安量を守るよう求める注意事項も引き続き表示するとしている。

【田代 宏】

発表資料はこちら(消費者庁HPより)
パブコメの結果はこちら(e-GOVより)
官報の閲覧はこちらから 

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