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業界3団体がGMP対応文書作成 機能性表示食品サプリ形状への義務化受け、原材料事業者に協力訴え

 サプリメントの品質確保に求められるGMP(適正製造規範)の水準を高める目的で、複数の健康食品業界団体が自主基準や解説書などの文書を作成した。9月から完全義務化された、機能性表示食品のサプリメントのGMPへの対応を念頭に作成が進められたが、今後施行されるサプリメント全体に対するGMP義務化に備える目的もありそうだ。製品の製造に関わる業界団体からは、同義務が直接には課せられない原材料も含め、サプライチェーン全体でサプリメントの品質を確保したり、高めたりする取り組みを進める必要を訴える声が上がる。

 各団体が作成したGMP対応文書の概要がまとめて説明される機会があった。2日、「健康博覧会」内で行われたセミナー「GMP義務化を支える健康食品業界の連携~原料・受託製造・販売~」がそれだ。健康食品関連事業者ら約100人が参加。機能性表示食品制度や、食品衛生行政のうち規格・基準を所管する消費者庁の各担当課関係者の姿も見られた。

 主催は、サプリメントなど健康食品の受託製造・加工(OEM/ODM)企業を中心とする業界団体(一社)日本健康食品工業会(日健工)だが、実質的にはその他の健康食品業界団体や、民間の健康食品GMP第三者認証機関が連携した合同セミナーとなった。(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)、(一社)健康食品産業協議会(JAOHFA)、(一社)日本栄養評議会(CRN JAPAN)、(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)が共催に名を連ねた。

 セミナーでは、3つのGMP対応文書の概要が説明された。業界団体であり健康食品GMP第三者認証機関でもあるJHNFAの〝GMPを考える会〟が作成した「健康食品GMPガイドラインに関する自主基準(案)」、原材料事業者から製品販売会社までを会員企業に抱えるJAOHFAの健康食品原材料・製品の製造・品質分科会GMPチームが取りまとめた「GMP要件化等に関する製品製造と原材料に関する用語の解説・事例集(第1版)」(9月30日付既報)、そして日健工による「機能性表示食品GMP対応 消費者庁自己点検表95項目 実務判断基準 第1版」(9月1日付既報)──の3つ。

GMP対応3文書は「相互補完の関係」

 JHNFAの「~自主基準(案)」は、原材料の同等性・同質性、微生物等関連原材料、バリデーションといった「(製造)現場で判断が分かれやすい難所に対し、どこまで実施すべきかの具体的な技術的指標を提供」するもの。試験方法や数値的な判断などを「非常に具体的」に示す内容になっているという。

 JAOHFAの「~解説・事例集」は、機能性表示食品のサプリ形状のGMP義務化を巡り、原材料メーカー・輸入者からOEM・製造事業者、販売者・届出者までの「サプライチェーン全体をつなぐ共通言語と事例」を整理してまとめたもの。「行政ルールの断片的な情報を統合し、バリューチェーン全体でのGMP水準の底上げを支援」する目的で作成したという。GMPの遵守義務が直接的にはかからない原材料について、「受入れの考え方」(フローチャート)や「適合が望ましい要件に関する手引き」も含まれる。

 日健工の「~判断基準」は、消費者庁が作成した、機能性表示食品のサプリ形状GMP点検表について、点検項目別に「製造現場の行動と判断をそろえる実務基準」を自主的に検討、整理した。各項目に示された要求事項を「現場で具体的にどう判断し、何を確認するか」に変換したといい、「抽象的なルールを『明日からの工場での具体的な作業・確認手順』へと翻訳」したとしている。

 各文書の中身は、各団体がそれぞれ独立して検討した。そのため重複している部分も一部あるという。ただ、セミナーの司会を務めた日健工の又平義春・健康食品推進委員会委員長は、「(検討)途中で(各団体が内容を)相互にすり合わせながら作成を進めた。いわば、『相互補完』する関係で作られている」と説明。その上で「各文書は競合するものでは決してなく、行政からの要求への適合をベースに、3団体の知見を相互補完的に活用し、健康食品業界全体のGMP水準のさらに高みを実現することを目指す」と強調した。

 適合する必要がある行政からの要求とは、機能性表示食品のサプリメントのGMP基準を規定した法令や、その解釈を示した通知などを指す。国は、それ以外のサプリメントに関しても、事業者が自ら安全性を確保するための指針(3.11通知)を定めて運用しており、それも含む。

 こうした法令や通知などを上位に置き、まずは9月完全施行の機能性表示食品のサプリメントGMP義務化に業界を挙げて対応していく目的で、各文書はまとめられた。行政が示すルールに対する製造現場の解釈や実務のギャップを埋め、どこまで実施すれば適合と言えるか、という問いに答えるために「業界団体による『橋渡し』となる文書が必要だった」(同)という。

原材料事業者の「協力不可欠」

 機能性表示食品制度を所管する消費者庁食品表示課の課長補佐も登壇したパネルディスカッションでは、製品を製造・加工する際のGMPの範囲となる原材料の受入れを巡り、原材料のメーカーや輸入販売事業者の「協力が絶対に必要」(日健工健康食品推進委員会副委員長・河野宏行氏)だとする意見が挙げられた。河野氏は、原材料事業者や製品販売者を含めた業界全体のサプライチェーンが一丸となって、安心安全な「ものづくり」に徹していくことが重要だと指摘する。

 機能性表示食品のサプリ形状の場合、受入れ時に同等性や均一性などの確認を求められる原材料は、機能性関与成分を含むものに限られる。しかし、今後施行されるサプリメント全体に対するGMP義務化で、受入れ時の確認が必要な原材料の数が増大すると予想される。「そこ(原材料の受入れ方法)をどう考えていくか。今後の課題になる」「究極的には、使えないということもあり得る」との見解がセミナー終了後、業界団体関係者からは聞かれた。

【石川太郎】

(冒頭の写真:セミナーの様子。聴講した業界関係者からは「良い内容だった」との感想も聞かれた)

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