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元SV証言、しげよしの舞台裏(前) 「5%」説明の実態、加盟店との板挟みで苦悩した日々

 仕出し弁当フランチャイズの仕出し割烹「しげよし」を巡っては、加盟店オーナーや元従業員、取引先事業者などへの取材を通じ、加盟店への売上金未払いや契約を巡るトラブルなどが次々と明らかになっている。
 こうした中、ウェルネスデイリーニュース編集部はこのほど、同社でスーパーバイザー(SV)を務めていたY氏に約1時間半にわたり取材した。

 Y氏は加盟店の開業支援や運営指導、売上向上支援などを担当し、本部と加盟店をつなぐ役割を担った。その後は直営店運営やコールセンター業務などにも従事したという。取材では、自身が経験した精神的苦痛に加え、加盟店への契約説明の実態や、運営部門が担っていた業務について証言した。
 なお、本記事はY氏への取材内容を基に構成している。事実関係の細部については、編集部でこれまで同様、関係者への取材を継続している。

何らかの結論が出ない限り忘れられない

「当時は間違っていると思わなかった」と語るY氏は、現在も体調が安定せず、「いい時と悪い時がある」と話す。
 退職後も問題を忘れることができず、精神科への通院を続けているという。担当医からは「忘れる日を作らないと体は良くならない」と助言されているものの、「何らかの結論が出ない限りむずかしい」と率直な思いを述べた。

 在職中は社長から叱責を受けたり、会議で無視されたりすることもあったという。
「目を付けられたくない」という思いから、本部の指示どおり加盟店へ説明せざるを得ない状況が続いた。
 加盟店から「それは違うのではないか」と反発を受けても、本部の立場として説明を続けなければならず、加盟店と衝突することも少なくなかったという。

 Y氏は当時を振り返り、「今から思えば間違っていたと思う。しかし、その時はそれが正しいと思い込んでいた。洗脳されていたような状態だった」と語る。

 精神科医ともそのことを話しており、現在になって初めて、当時の状況を客観的に受け止められるようになった。また、退職した元従業員の中には、再就職後に体調を崩して退職した人や、精神的な理由から短期間で離職した人もいるという。

 「これが片付かない限り、みんな心に背負っているものがある」
 Y氏はそう語り、自身だけでなく、精神的な影響を引きずっている元従業員が少なくないと話した。

加盟店は「5%」と理解していた

 Y氏が最も問題視した1つが、加盟店への契約説明である。Y氏によると、多くの加盟店は契約時、「手数料は5%」との認識で契約していた。契約書には別紙として詳細な手数料体系が記載されており、本部経由の注文にはEC手数料、さらにクレジットカード決済では追加の手数料が発生する仕組みになっていたと証言した。

 「契約書にはEC手数料などを定めた条項があったが、営業担当は契約書の読み合わせの際、そのページを飛ばして説明していた」とY氏は明かす。その一方でY氏は、「営業担当者も本部の方針の下で対応せざるを得なかったのだと思う」とも話しており、営業担当者個人を責めるつもりはないとしている。

編集部がこれまで取材した加盟店オーナーの中にも、「契約時にはロイヤリティは5%のみと説明を受けた」、「契約書にはEC手数料などの条項が記載されていたが、自分たちには関係ないとの説明を受けた」と証言する人がおり、Y氏の証言と重なる部分がみられる。

 Y氏自身はSVとして加盟店の開業準備に立ち会い、オープン前の説明では、この手数料体系についてできる限り説明するよう努めていたという。
 加盟店から「5%だと思っていた」と驚かれることも少なくなかったが、「できるだけ店舗への直接注文を増やしてください」と説明し、理解を求めていたとしている。

 しかし、その説明によって加盟店が契約を見直したり、破談になったりすると、営業担当者から「運営を来させないでくれ」と苦情を受けることもあった。Y氏は「営業担当者も厳しい立場に置かれており、必死だったのだと思う」と振り返る。

 後でトラブルになるので加盟店には説明しなければならない。しかし説明すると営業から責められる。Y氏は、とてもむずかしい立場に立たされていたものと考えられる。

契約後に見えてきた現実

 Y氏によると、提携店運営部の業務は、加盟店の開業支援や運営指導だけではなかった。加盟店への食材や資材の代金、ロイヤリティの回収まで担当していた。
 
「本来であれば経理部門が行う仕事だと思うが、提携店運営部が『入金はまだですか』と電話をかけていた」
 加盟店から見れば、売上が思うように伸びない中で請求だけが届く状況となり、運営部が事実上の回収窓口となっていたと証言した。

 また、営業担当者によって加盟金額が異なっていたことや、売上目標に達しなかった場合に加盟金の一部を返還するとした覚書を交わしていたケースもあり、こうした契約内容を巡る問い合わせや苦情への対応も運営部に寄せられていたという。

(つづく)
【田代 宏】

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