Sustainability Firstが拓くヘルスケアの未来 ユーグレナ、栄養補給を「意識させない」日常への浸透と循環型経営
微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に世界で初めて成功して以来、バイオ燃料からヘルスケアまで多角的な事業を展開する㈱ユーグレナ(東京都港区、出雲充社長)。同社が掲げる「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」という思想は、単なるスローガンに留まらず、具体的な製品設計や顧客とのコミュニケーション、さらにはサプライチェーンの最適化に至るまで徹底して貫かれている。「からだにユーグレナ」シリーズなどを通じ、顧客との強固な信頼関係を築き、持続可能な事業モデルを構築する。
「無理なく」続く健康習慣
同社が展開するヘルスケア事業の根底には、「人と地球を健康にする」というパーパスが存在している。多くの健康食品が「摂取すること」自体に努力を要する中で、同社が重視しているのは、生活者が日々の暮らしの中で無理なく自然に栄養を取り入れられる製品設計。
その象徴的な事例が、「からだにユーグレナ『子どもの栄養サポート』シリーズ」。同シリーズは、多忙な子育て世代が「がんばりすぎずに」子どもの栄養を補えるよう、「いつもの料理に入れるだけ」「飲み物に混ぜるだけ」といった、日常の動作に溶け込む形での提供を実現している。健康習慣を「特別な努力」から「無意識の日常」へと変えるアプローチは、顧客の心理的・時間的ハードルを大幅に下げ、長期的な愛用へとつながっている。
エビデンスに基づく訴求、効率化で追及する持続可能な形
市場に多種多様な健康素材が溢れる中、「石垣島ユーグレナ」が持つ独自性は極めて高い。石垣島ユーグレナは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など59種類の栄養素をバランスよく含む。植物特有の「細胞壁」を持たないという性質から、野菜などの植物性食品と比較して消化吸収率が高いという科学的根拠(エビデンス)を有している。
「どのような生活シーンで」「どのように使えるのか」といった具体的な利用イメージを丁寧に提示することで、生活者が自身の生活に照らし合わせて納得感を持って選択できるようなコミュニケーションを心がけている。
マーケティング戦略においても、同社は独自の視点を持つ。顧客獲得単価(CPA)の高騰が業界共通の課題となる中、同社は「自分にぴったりの健康法」を求める層に対し、徹底した「生活者目線」での価値提案を行っている。
「子どもの栄養サポート」シリーズのコミュニケーション設計では、「完璧な栄養管理」を掲げるのではなく、「忙しい毎日の中でも続けられる」という現実的なソリューションを提示。SNS等でのインフルエンサー施策においても、専門家としての知見をベースにしつつ、ママ・パパインフルエンサーと協力して実際のレシピやリアルな使用シーンを紹介。こうした「生活実感に即したリアルな提案」こそが、読者や消費者に「これは自分のための製品だ」という自分事化を促す鍵となっていると話す。
昨今の物流費や原材料費の高騰に対して同社は、「ユーグレナらしい」アプローチで環境負荷の低減と事業の継続性を両立させている。まず、コスト削減においては、安易な価格転嫁に頼るのではなく、サプライチェーン全体の徹底的な見直しから着手した。物流倉庫の統合や、配送頻度を抑える「隔月定期コース」の導入、さらには資材調達条件や販促物(同梱物)の最適化など、内部努力を積み重ねている。
健康基盤作るプラットフォーム
同社は、製品、情報、そして顧客とのコミュニケーションを高度に融合させた、未来の「健康プラットフォーム」の構築を目指している。今後は、客観的なデータに基づいたパーソナライズ化がさらに進化し、それらが日常生活の中に自然に溶け込んでいくことが予想される。栄養管理を「意識しすぎなくても続けられるもの」へと変え、生活者1人ひとりの暮らしに寄り添いながら進化を続ける同社の姿勢は、次世代のヘルスケアのあり方を提示している。
<COMPANY INFORMATION>
所在地: 東京都港区芝5-29-11 G-BASE田町2階(本社)
TEL: 03-3453-4907(代表)
URL: https://www.euglena.jp/
事業内容: ユーグレナ等の微細藻類の研究開発、生産、食品・化粧品の製造、販売、バイオ燃料の開発・製造、投資等
(月刊誌「Wellness Weekly Report95号(2026年5月10日刊)より転載」
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