健康食品のEC戦略を最適化 ウィルベース、「キュアベル」が切り拓くヘルスケアDX
製薬会社の健康食品通販市場への本格参入や消費者の情報収集行動の変化により、従来のあおり型広告は限界を迎え、客観的な比較情報への需要が急速に高まっている。こうした中、ウィルベース㈱(東京都中央区、田中裕樹社長)が運営するヘルスケア情報サイト「キュアベル」は、購入意欲の高い「検討層」に特化した独自の事業モデルで注目を集めている。ユーザー数の拡大とともに、データ活用による業界支援も視野に入れる。
求められる客観的比較、消費者の「賢い選択」を支える
消費者が購入前にスマートフォンで一次情報を収集することが一般的となり、単なる「おすすめ」ではなく、「なぜこの商品が良いのか」を他製品と比較した客観的・相対的な説明を求めるようになった。かつての「今だけお得」といった手法は通用しにくくなっており、安全性や効果、ブランドの信頼感、そして企業の姿勢といった「価値観」に合致する商品であれば、価格が高くても選択される傾向が強まっている。同社は、こうした消費者の「賢い選択」を支えるプラットフォームとして、市場での存在感を高めている。
同社が運営する「キュアベル」は、OTC医薬品とサプリメントの比較に特化した情報サイト。最大の特徴は、ユーザーをメーカー公式ECサイトやAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどの最安値ページへ直接誘導する仕組み。収益源はメーカーからの有料送客、サイト内バナー広告で構成されている。
その強みは、集まるユーザーの質の高さ。サイトを訪れるのは、特定の商品を能動的に探している「購入意欲が顕在化した検討層」が大半を占める。そのため、他の一般メディアと比較してコンバージョン率が非常に高く、広告主であるメーカーに対して極めて高い費用対効果を提供している。また、掲載基準も厳格で、信頼性の低いメーカーは除外する一方、ユーザーの要望に応えてサプリメントの取り扱いアイテムを今後1カ月で約100アイテム拡充する計画も進めている。これにより、情報の網羅性と信頼性の両立を図っている。
新規ユーザー拡大とリピーターの育成
現在、同社はさらなる飛躍に向けた課題解決に着手している。ユニークユーザー数は月間約20万人規模だが、年内には100万人への拡大を目指している。特に、全体の3分の1以下に留まっているサプリメント関連ユーザーの掘り起こしが急務となっている。また、アクティブユーザー率の向上、「一度利用して忘れられない仕組み作り」が成長の鍵を握っていると同社の田中社長は話す。
この課題に対し、同社は多角的な戦略を展開している。新規ユーザー獲得においては、食事管理アプリや健康診断結果管理アプリといった、健康意識の高い層が集まる外部プラットフォームとの連携を強化。一方、リピーター育成策としては、LINE公式アカウントやメールマガジンを通じた定期的な情報発信に加え、商品の口コミ機能の強化、プレゼント抽選といったエンゲージメント向上施策の導入を検討中。
データで支援する商品開発の未来
同社では、単なる比較サイトの運営に留まらず、蓄積された膨大なユーザー行動ログを、マーケティングデータとしてメーカーへ還元する「データ活用ビジネス」を構想している。例えば、自社商品がどの競合商品と比較されているか、どの属性のユーザーがどのような検索キーワードで辿り着いたかといった匿名化データを販売することで、メーカーの戦略立案を強力にバックアップする。
さらに、これらのデータは商品開発支援にも転用可能で、パッケージのデザイン、味、形状の改善点など、消費者の生の声に基づいたコンサルティングを行うことで、より市場に適合した商品展開を可能にする。また、定期的な大規模アンケートによるランキング調査の結果を発信し、専門メディアと連携して情報を深掘りするなど、業界全体の透明性と活性化に寄与する「情報発信のハブ」としての役割を担おうとしている。法規制が厳格化するヘルスケア業界において、厳格な法令遵守(薬機法・景表法等)を徹底しながら、健全なメーカーの価値を際立たせる同社の挑戦は、今後さらに加速していく。
COMPANY INFORMATION
所在地:東京都中央区日本橋久松町9-8 Biz Feel 東日本橋9F
TEL:03-4500-8444
URL:https://www.willbase.co.jp/
事業内容: ヘルスケア関連メディア事業、マーケティング・販促支援事業

