サプリ規制の在り方、方向性固まる GMPに加えて健康被害情報の報告も義務化、製造・加工施設の把握策も
㈱小林製薬が販売した機能性表示食品のサプリメントに生じた健康被害問題を受け、厚生労働省と消費者庁が連携して検討を進めていた、サプリメント全体に対する規制の在り方の方向性が1日までに固まった。
食品衛生法制上でサプリメントを法的に定義付け、その製造・品質管理にGMP(適正製造規範)の遵守を義務付けるほか、健康被害情報の行政への報告を義務化する規制が導入される。さらに、サプリメントの製造・加工施設を行政機関が確実に把握できるようにするため、厚労省は同法に基づく営業許可や営業届出に関する規定を改める方針だ。
今後、法令で定義するサプリメントの容器包装表示における規制策も、食品表示法を所管する消費者庁で検討される見通し。義務表示事項が検討されることになりそうだ。死亡事例も報告された健康被害問題をきっかけに、現状では法令上の包括的な規制はもとより定義のないサプリメントが法令で規律され、サプリメントに関わる多くの事業者が規制されることになる。
厚労省食品衛生監視部会、次回会議で最終とりまとめへ
サプリメントの規制の在り方検討は、厚労省と消費者庁にそれぞれ設置された審議会の部会で昨秋から進められていた。
定義と製造管理(GMP)の在り方について審議した、消費者庁の食品衛生基準審議会新開発食品調査部会は、先月中旬までに中間とりまとめを行っていた。厚労省の厚生科学審議会食品衛生監視部会は、先月24日の会議でその内容について同庁から報告を受け、続いて1日の会議で残された検討事項を審議。同省食品監視安全課が検討・提案した、健康被害情報の報告と営業施設の把握に関する規制策に対して意見や要望は述べたものの異論は挟まず、会議は60分足らずで終了した。同課は今後、最終の取りまとめ案を作成し、同部会に諮る。
1日の食品衛生監視部会では、健康被害情報の行政への報告義務化について、その規制がすでに導入されている機能性表示食品と特定保健用食品の両制度を参考に、「健康被害(医師の診断を受けたものに限る)の発生及び拡大のおそれがある旨の情報を得た場合は報告」することを事業者に義務付ける方針が示された。もともと食品全般に対して努力義務がかけられている規定だが、法的拘束力のある義務規定に引き上げられる。
また、サプリメントの営業施設の把握については、強い規制のかかる営業許可業種に加えることは見送り、食品衛生法に基づく営業許可や営業届出の申請時に、サプリメントの製造・加工の有無の記載を必須化する方向性が示された。これにより、現状では十分把握しきれないサプリメントの製造・加工事業者を確実に捕捉し、GMP遵守義務のかかる製造・加工施設に対する監視・指導が行き渡るようにする狙いだ。
サプリメントの定義については、消費者庁の新開発食品調査部会による中間とりまとめで、「通常の食事による栄養摂取又は通常の食事による生理機能の調節を補助することが目的とされる食品」であり、かつ、濃縮されたもの、錠剤やカプセル剤などの形状であるもの、その他過剰摂取のおそれがあるもの、のいずれかに該当するものなどと整理された。
GMPの遵守義務は、錠剤やカプセル剤をはじめ、粉末剤、液剤などの形状のサプリメントの最終製品製造・加工に対してかける方針。それ以外のサプリメントに関しては、「当面の間」に限定して、GMP義務化の対象から除外する方向性が示されている。
【石川太郎】
(冒頭の写真:2026年7月1日夕、都内会場とオンラインのハイブリッド形式で開催された厚労省食品衛生監視部会の様子。テレビカメラも入った)
関連資料:サプリメントの規制の在り方の方向性が示された2026年7月1日「第12回厚生科学審議会食品衛生監視部会」配付資料はこちら
【サプリ規制の在り方検討】
関連記事:①サプリ規制の在り方検討がスタート
:②営業の許可・届出、審議事項に追加
:③定義、「形状だけで判断すべきでない」
:④サプリメントの定義なき時代に終止符か
:⑤消費者委員会、検討の行方注視
:⑥取りまとめは2026年4月以降に
:⑦消費者庁食品衛生基準審査課長インタビュー 行政は原材料事業者に何を求める
:⑧サプリの定義と規制の行方 「機能性食品」提唱から40年、問われる日本の選択
:⑨サプリの定義、議論スタート
:⑩サプリとは何か、GMPは義務化か
:⑪消費者庁が論点 方向性示さず「どう考えるか」問う
:⑫サプリメントの目的とは何か 「通常の食事による栄養摂取・生理機能の補助」
:⑬グミと原材料、GMP義務化巡り温度差
:⑭グミ形状サプリGMP義務除外に懸念 厚労省食品衛生監視部会
:⑮中間とりまとめ サプリメントを横串で定義、GMP原則義務化と整理
:⑯審議の舞台、厚労省に移る 消費者庁、中間まとめを報告

