しげよし製造代行業者も未払い訴え 支払督促から債権差し押さえへ、裁判資料で見えた紛争
仕出し弁当フランチャイズ「しげよし」を運営する㈱寿美家和久(三重県津市、小清水丈久社長)を巡り、加盟店オーナーや元従業員との間でトラブルが相次ぐ中、取引先事業者との間でも弁当製造代行費用の未払いを巡る法的手続が進められていたことが分かった。
ウェルネスデイリーニュース編集部は、このほど長崎市で弁当店を営むO氏を取材するとともに、同氏が保有するメールや裁判資料を確認した。
O氏によると、寿美家和久とは2025年11月、ステーキ弁当の製造代行について商談を開始した。当初、しげよし側から提案されたメニューについては店舗の状況などから対応が難しいと判断したものの、製造・配送業務を代行する条件を提示し、双方で協議を重ねたという。
冷凍部分の食材・紙カップ・あしらいの紅葉など、盛り付ける内容を納品の2日前に弁当箱を含めて全て送ってもらうこと。O氏側は盛り付けるだけというのが、O氏がしげよしサイドに提示した基本的な条件だった。
O氏が寿美家和久の担当者と行ったメールによる交信では、弁当製造は現在O氏側の店名を使用せず代行業務として受けること、O氏が調達した材料については原価部分を代行料に上乗せすること、さらに代行料やキャンセルポリシー、さらに支払期限などを具体的に提示している。
製造代行契約と未払い発生
また、寿美家和久側も商談日程を複数回調整し、「前向きに検討していただきありがとうございます」、「社内で共有し検討する」などと返信していた。

その後、2025年11月23日および30日に、O氏は寿美家和久から依頼を受け、ステーキ弁当の製造代行業務を実施した。配達先は旅行代理店だった。
編集部が確認した請求資料によると、製造代行費用は23日分が5万5,000円、30日分が3万3,000円、食材代を含めた請求総額は13万4,500円だった。
ところが、支払期限だった25年12月末日を経過しても入金が確認されることはなかった。その後、寿美家和久からは、一部同社が手配した資材の請求書が届き、O氏は「驚いた」という。2通目以降、O氏は郵便局で受け取り拒否の手続きを行ったとしている。
支払督促から差押え手続へ
O氏は2026年1月13日、寿美家和久に対し内容証明郵便を送付し、未払いとなっていた13万4,500円の支払いを請求した。支払期限は同25日とし、期限までに支払いが確認できない場合は支払督促や少額訴訟などの法的手続を行う旨を伝えた。
しかしその後も支払いは行われず、O氏は津簡易裁判所へ支払督促を申し立てた。支払督促では、2025年11月23日および30日に実施した弁当製造代行・配送業務の代金13万4,500円に、遅延損害金や申立手数料などを追加した13万8,230円を請求した。
裁判所は2026年2月、支払督促を発付し、さらに同年3月には仮執行宣言を付した支払督促を発令した。編集部が確認した資料によれば、請求金額に遅延損害金や申立費用などを加えた請求額は15万733円に上っている。寿美家和久から異議申し立てはなかったものの、今回も請求額の回収には至らなかった。
そこでO氏は、寿美家和久が賃貸人(第三債務者)に対して有する敷金返還請求権について債権差押命令を申し立てた。津地方裁判所は2026年6月、第三債務者に対する陳述催告を伴う差押手続を進めた。
陳述書で見えた回収の壁
これに対し、第三債務者である賃貸人は裁判所へ陳述書を提出した。

※津地方裁判所へ提出された第三債務者の陳述書。賃貸借契約が継続中であることや、未払賃料元金約417万6,400円が存在することなどが記載されている
陳述書によると、寿美家和久との賃貸借契約は現在も継続しているという。また、寿美家和久には未払賃料元金約417万6,400円が存在し、契約終了後には原状回復費用や残置物処理費用も発生する見込みであると説明している。
そのため、賃貸人は寿美家和久に対する敷金返還債務自体は存在するとしながらも、現時点で弁済する意思はなく、自らの賃料債権などが優先すると裁判所へ回答している。
今回確認した裁判資料からは、差押命令が発令されても、第三債務者に優先する債権が存在する場合には、差押債権者が直ちに回収できるとは限らない実態が判明した。
このような状況に当事者であるO氏は、「人を幸せにすべき飲食業を利用するという道義に反した行為が許せない。法律的に罰することができないと分かってやっているのだとすれば、なおさら許せない」と憤りを隠さない。この先、同様の被害を受けている人たちと連帯していきたいと語っている。
編集部はこれまで、原稿料未払い事案についても報じてきたが、今回新たに、加盟店ではない取引先事業者との間でも代金未払いを巡る法的紛争が生じていたことが裁判資料から確認された。編集部では、今後も関係者への取材を継続し、一連の実態について引き続き検証を進める。
【田代 宏】
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