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サプリの範囲、QA次第 定義案固まるも「濃縮」「過剰摂取」の物差しなく、消費者庁「1つひとつ解釈示す」

 今後食品衛生法制上で定義される「サプリメント」の規制に関する審議が内閣府・消費者委員会の食品表示部会に移りつつある。食品衛生法上の規制内容の大枠が固まったのを受け、続いて食品表示法に基づく表示規制について審議する。今月3日、「キックオフの意味合い」(今村知明部会長)の会議を開催。厚生労働省と消費者庁の担当課からこれまでの検討状況や表示規制に係る検討事項の大枠などを聴取し、質疑応答や意見交換を行った(9月4日付既報)。2時間超に及んだやり取りからは、規制対象となるサプリの範囲を明確に定めることの難しさがにじみ出ていた。

 この日の会議には、行政から食品衛生法を所管する厚生労働省・食品監視安全課と消費者庁・食品衛生基準審査課の各課長のほか、食品表示行政を担当する同庁食品表示課長と同課の保健表示室長が出席。委員とのやり取りの中で、「QAを早く出すことが重要だと思っている」と述べたのは、サプリの定義に関する検討を担った食品衛生基準審査課の高江慎一課長だった。

 QAは、規制対象となるサプリに当たるかどうかについて、定義に照らした考え方や個別具体例を示すもの。サプリの法令上の定義などを審議した消費者庁の食品衛生基準審議会新開発食品調査部会は、中間とりまとめ(6月19日公表)において、「事業者及び消費者の理解に資するよう」QAを通じてサプリ該当性の判断に関する考え方などを「適切に示す」よう提言した。

 新開発食品調査部会がとりまとめたサプリの定義案は、「目的」と「過剰摂取のおそれ」の大きく2つの要素で規定。具体的には、通常の食事による栄養摂取または通常の食事による生理機能の調節を補助することが目的とされる食品であり、かつ、過剰摂取のおそれの要素として、▽当該食品に含まれる成分の一部、または全部が製造工程において濃縮されたもの、▽錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤等の摂取の容易な形状であるもの、▽その他過剰摂取のおそれのあるもの──のいずれかに該当するものとされている。

 生鮮食品をはじめ、通常の液体・粉末調味料などのほか、濃厚流動食などはサプリではないものとして整理する。主に水分補給を目的とする飲料も同様だ。だが、サプリの定義に合致すれば、グミ、チョコ、ゼリーなどもサプリとして規制される。安全性確保のために、漏れが生じないようにする定義案がまとめられた格好だ。

 一方で、サプリを広く捕捉できるようにした分、サプリか否かの境界線は曖昧だ。「定義だけで(サプリと非サプリの)外縁がピタッと決まるわけではない」。高江課長は5月、ウェルネスニュースグループのインタビューにそう答え、「モヤモヤしているところはQAで明確化する」と語った。3日の食品表示部会でも、「QAが充実しないことには規制が円滑に回らない」と指摘。その上で、「(定義に盛り込んだサプリの)要素から外れないかたちで、(サプリ該当性を)1つひとつ丁寧に(検討し)、境界事例も含めてQAを出させていただきたい」とし、サプリか否かの実務上の線引きは具体的な事例で示していく考えを述べた。

 ただ、QAをまとめるのは一筋縄ではいかない。3日の会議では、定義案の過剰摂取のおそれの3要素のうち、「濃縮」と「(その他)過剰摂取のおそれ」の程度に関する物差し(メルクマール)がない、との指摘が委員からなされた。例えば、カテキンが濃いめのお茶はサプリに該当するのだろうか。「(線引きする)物差しがないところでQAを作っていくとなると、どういうことになるのか懸念がある」(森田満樹委員)。

 これに対して同課長は、「まず、目的を考えないといけない」と返し、定義案のうち目的の部分は、通常の食事による栄養摂取または通常の食事による生理機能の調節の「補助」とされていることから、「通常の食事で摂るものは(サプリに)該当しないという理解」でいるとした。

 その上で、カテキンの濃いお茶を引き合いに出し、「通常の食事なのではないか。通常の食事の一環として、水分補給を主な目的に飲む飲料だと考えている」としつつ、そうした食品や飲料は「目的のところで(サプリから)外れるのではないか」との解釈を示した。そしてこう続けた。

 「そういった解釈を1つひとつの食品について、(サプリと非サプリの)境界のものについてやって(検討して)、QAを出していくということ。基本的な考え方を通知で示した上で、個別の製品(のサプリ該当性)についてQAを出していく。これを早くしないと何も進まない」

 QAの発出時期は未定。同課長は7月末、消費者委員会の本会議でサプリ規制の検討状況を報告した際、「施行までに整理(して発出する)」と述べていた。

【石川太郎】

(冒頭の写真:2026年9月3日、消費者委員会・食品表示部会の様子)

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