東大元教授に有罪判決 東京地裁、臨床カンナビノイド学講座贈収賄事件で佐藤被告に言い渡し
東京大学大学院医学系研究科の社会連携講座「臨床カンナビノイド学講座」の設置を巡る贈収賄事件で、東京地方裁判所は22日、収賄罪に問われた元教授の佐藤伸一被告に対し、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を下した。裁判所は被告人から約183万円を追徴する判決言い渡しを行った。
同事件を巡っては、これまでに元特任准教授の吉崎歩氏が収賄罪で、(一社)日本化粧品協会(JCA)の引地功一元代表理事が贈賄罪でそれぞれ起訴され、すでに執行猶予付きの有罪判決が確定している。佐藤被告の初公判では起訴内容を認め、検察側が懲役2年、追徴金約180万円を求刑していた。今回の判決により、一連の贈収賄事件で起訴された3人の司法判断が出そろうこととなった。
判決理由において東京地裁は、被告人が東京大学という立場でありながら、講座設置前後の1年余りにわたって贈賄側の契約業者から28回もの飲食接待の供与を受けたことを指摘した。飲食接待の内容が風俗的で性的指向の強いものであったことや、職務の公正性を害したことは明らかであると断じた。また、背景には贈賄業者が東京大学の社会連携講座という看板を悪用しようとした側面があり、担当教授である被告人の権限と事務担当職員による監査が分断されていた組織上の問題も相まって犯行期間が長期化したと認定した。その上で、被告人が有する公共的な影響力や社会から求められている信頼を自覚し、後進の医師らの将来を顧みていれば起こり得なかった事態であるとして、刑事責任を軽視することはできないと結論付けた。
もっとも、事件が広く報道されたことで、日本国内で再び公職に就く可能性がなくなったことや、現在では再犯に及ぶとは考えがたく犯行を認めて反省していることなどの事情を総合的に考慮し、執行猶予付きの判決が相当であると判断された。
【藤田 勇一】
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