独植物エキスメーカー、日本に照準 医薬品で実績のフィンツェルベルク、機能性表示への対応も視野
ドイツ西部のラインラントに拠点を置く植物抽出物メーカー、フィンツェルベルク(Finzelberg)が、日本の健康食品市場で需要開拓を進めている。
1875年創業の同社は2020年以降、医薬品向けの植物抽出物の製造・品質管理を基盤としつつ、臨床試験に基づく科学的根拠(エビデンス)を付加価値にしたサプリメント向け植物抽出物の研究開発や製造販売を本格的に強化。日本では、差別化のための〝独自素材〟を保有したい最終製品の販売会社や受託開発・製造企業の支援も行いたい考えだ。
同社はアジア・太平洋地域の営業拠点をマレーシア・クアラルンプールに置く。日本ではもともと、国内代理店を通じて医薬品向けの植物抽出物を中心に販売してきた。サプリメント向けの製品を取り扱う代理店もある。その中で、昨年初めて日本駐在員(セールス・ディレクター)を置き、都内を拠点に営業活動を開始した。日本駐在員の職には、国内健康食品業界で職歴の長い日本人が就いている。
医薬品向けからサプリメント向けまで、80種類以上の植物抽出物をドイツの拠点で製造している。そうした自社素材のうち、機能性を検証する臨床試験を行いながら拡販に力を入れている独自素材は現在7製品。
脳への血液と酸素の供給を促すことによる、脳の健康・パフォーマンス向上を訴求するシデリティス・スカルディカ抽出物「CONCENTAL」をはじめ、食後血糖値コントロールと運動パフォーマンスの向上を同時に訴求するウチワサボテン抽出物「RECOVERA」などがあり、いずれも臨床試験に基づく一定の科学的根拠があることを付加価値とする〝ブランド素材〟の位置付けだ。
ブランド素材7製品はいずれも植物抽出物のため、有効成分を1つに絞るのが困難な面もあるが、素材特性を見ながら、日本の機能性表示食品制度に対応していきたい意向も示している。
また、同社の日本駐在員は「医薬品用の植物抽出物の製造で培った製造管理、品質管理の体制が当社の強みだ」として、最終製品の販売会社や受託開発・製造企業からの独自素材開発・製造のニーズにも積極的に応えていきたい考えを述べている。
なお、フィンツェルベルクは現在、茶・ハーブ原料の世界的なBtoB(対事業者)サプライヤー、独マーティン・バウアーグループの傘下に入っており、マーティン・バウアー社を中心とする「ザ・ネイチャー・ネットワーク」(the nature network)の一員。同ネットワークには、植物抽出物の分析・検査機関のフィトラボ社(PhytoLab)も含まれる。
【石川太郎】

