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東大元教授、収賄認める 懲役2年求刑、10月22日に判決

 東京大学大学院医学系研究科に設置された社会連携講座「臨床カンナビノイド学講座」を巡る贈収賄事件で、収賄罪に問われた元教授の佐藤伸一被告の初公判が25日、東京地方裁判所で開かれた。
 佐藤被告は起訴内容を認め、検察側は懲役2年、追徴金約180万円を求刑した。公判は即日結審し、判決は10月22日午後3時半に言い渡される予定。

 同事件では、元特任准教授の吉崎歩氏が収賄罪、(一社)日本化粧品協会(JCA)の引地功一元代表理事が贈賄罪に問われ、いずれも執行猶予付きの有罪判決が確定している。佐藤被告の判決をもって、一連の贈収賄事件で起訴された3人の一審判決が出そろうことになる。

28回、約183万円相当の接待

 報道によると、佐藤被告は初公判で起訴内容について「間違いございません」と認めた。佐藤被告は2023年3月~24年8月、大麻由来成分の皮膚疾患への有効性を研究する社会連携講座の設置などを巡り便宜を図った見返りとして、JCAの引地元代表理事から、東京都内のソープランドや高級クラブで28回にわたり、計約183万円相当の接待を受けたとされる。

 検察側の求刑に対して弁護側は、弁護側は、共同研究の場は適切な審査を経て設置されたとし、職務の公正さをゆがめたものではないなどとして、執行猶予付きの判決を求めた。公判は同日結審した。

吉崎氏、引地氏は有罪確定

 一連の事件では、佐藤被告とともに接待を受けたとして収賄罪に問われた吉崎氏について、東京地裁が5月22日、懲役1年、執行猶予2年、追徴金196万7,433円の判決を言い渡している。
 また、接待を提供したとして贈賄罪に問われた引地氏についても、東京地裁が同26日、懲役1年、執行猶予3年を言い渡した。

 引地氏の判決で裁判所は、講座設置や研究内容の選定・運営などについて有利な取り計らいを受けたことへの謝礼と、今後の便宜供与を期待する趣旨で接待を提供したと認定した。
 引地氏側は公判で、研究継続や講座維持のため接待を断れない構造があったなどと主張していたが、裁判所はこれを退け、引地氏が積極的な供与姿勢を示し、大学側との関係が癒着して常習的な犯行に至ったと判断した。

東大は佐藤氏を懲戒解雇

 東京大学は今年1月26日付で佐藤被告を懲戒解雇している。
 大学の発表によると、佐藤被告が23年2月~24年8月、同講座の設置・運営に関係する利害関係者から、レストランやクラブ、風俗店で接待を受け、その費用を負担させた行為について、東京大学教職員倫理規程に違反し、大学の名誉や信用を著しく傷つけたと判断した。
 藤井輝夫総長も佐藤被告の逮捕を受け、民間資金の受け入れ・活用状況のチェック体制や、不正を未然に防ぎ早期に察知する組織風土などに課題があったとして、再発防止に取り組む方針を表明している。

民事訴訟は現在も継続

 佐藤被告が今回、刑事裁判で起訴内容を認めたことによって、臨床カンナビノイド学講座を巡る一連の問題がすべて決着したわけではない。

 JCAと(一社)日本中小企業団体連盟は、同講座の閉鎖などを巡り、東京大学、佐藤被告、吉崎氏を相手取り損害賠償などを求める民事訴訟を提起しており、東京地裁で審理が続いている。
 
 同訴訟では、接待を巡る経緯だけでなく、研究の実施状況や研究費の支出、研究試料や成果物の管理などについて双方の主張が対立。審理が進む中で、LEAPホールディングス㈱との受託研究契約や福島県の補助金申請、新日本技研㈱の関与など、講座設置前後の資金計画や外部企業との契約関係にも争点が広がっている。

 刑事事件では、吉崎氏と引地氏に続き、佐藤被告も起訴内容を認めたことで、10月22日の判決を待つ段階となったものの、社会連携講座の設置から運営、閉鎖に至る経緯を巡っては、民事訴訟でなお双方の主張が対立している。

【田代 宏】

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