オリーブ葉エキスで更年期女性をケア 【特集 女性の健康】骨から肌まで、横断的なデータ蓄積が進む
「女性の健康」と「骨の健康」の関係は密接だ。閉経に伴うエストロゲン低下がもたらす骨密度の減少は、女性の健康課題の中でも長く注目されてきたテーマである。ただ、更年期から閉経後にかけての影響は骨にとどまらない。㈱龍泉堂(塩島由晃社長)が昨年から取り扱いを開始したオリーブ葉エキスは、骨の健康を出発点に、更年期女性の健康課題に対する研究開発が進められている機能性食品素材だ。
オレウロペイン規格のボンオリーブを提案
同社が2025年から日本総代理店として展開することになった「Bonolive(ボンオリーブ)」。スペイン産のオリーブ葉から抽出・精製したエキスで、有効成分としてポリフェノールの一種、オレウロペインを40%以上含有する。開発製造元は仏Solabia社グループのSolabia Nutrition(旧BioActor社、オランダ)。もともと商社のCBC㈱(東京都中央区)が国内販売権を保有していたが、その権利が龍泉堂に完全移管された。
ボンオリーブの臨床試験に伴う最初の主要なエビデンスは骨代謝(骨の健康)だった。
骨粗鬆症予備群(骨減少症)の閉経後女性64名を対象とした12ヵ月間のRCT(ランダム化比較試験)で、骨形成マーカーであるオステオカルシンの上昇と骨密度の維持が確認された(2015年)。その後、閉経後女性65名を対象とした別の12週間のRCTで、更年期症状の改善をはじめ、血中中性脂肪の低下や骨密度(右腕)への好影響を報告(2024年)。エストロゲン低下がもたらす複数の健康課題に対し、1つの素材から順次エビデンスが出てきた格好だ。
そこに新たに加わったのが、閉経後女性の肌質と加齢バイオマーカーに関する臨床エビデンスだ。前記と同一のRCT(閉経後女性65名、12週間)の追加解析によって得られた知見。Solabia Nutrition社とマーストリヒト大学(オランダ)の共同研究成果として昨年11月、海外学術誌『Frontiers in Nutrition』に掲載された。
この研究では、ボンオリーブ250mg/日の経口摂取が、組織の加齢およびリモデリングに関わる全身性バイオマーカーに及ぼす影響を検討。加えて、26名のサブグループ(ボンオリーブ群10名、プラセボ群16名)で、ビデオダーモスコピーによる三次元肌質評価を探索的に実施した。
その結果、加齢バイオマーカーに関しては、糖化最終産物(AGEs)の一つであるペントシジンがボンオリーブ群で低下した(p=0.022)。ペントシジンは代謝異常との関連が指摘されている指標で、その変動は生体内の糖化ストレスの変化を反映している可能性がある。
また、結合組織や皮膚などの弾性を担うタンパク質であるエラスチンに関しては、血中濃度がプラセボ群で上昇したのに対し、ボンオリーブ群では安定を維持した。血中エラスチンの上昇は組織での分解進行を反映するとされており、論文では、ボンオリーブがエラスチン分解の抑制を通じて組織の構造・機能の保持に寄与する可能性に言及している。ただ、いずれも多重検定補正後は有意水準に達しなかったといい、さらなる検証が求められる。
一方、探索的な肌質評価では、毛穴数が減少した。ボンオリーブ群の毛穴数は6週目から12週目にかけて有意に減少し、12週時点のプラセボ群との群間比較でも有意差が認められた。肌表面の凹凸についても、ボンオリーブ群で6週目から12週目にかけて改善した(p=0.0166)。ただし、12週時点の群間差は改善傾向にとどまったという。
将来的に機能性表示食品対応素材へ
この新たな論文を受けて同社は、「『肌構造×糖化×エラスチン』を同時に捉えた臨床研究エビデンスは、既存のオリーブ葉エキス原料にはほぼない。ボンオリーブが持つ機能性原料としての独自性を強く裏付ける研究成果だ」としつつ、「更年期×美容ケア市場における大きな価値創造につながる」とする。確かに、更年期女性の健康ケアを訴求する素材に「内側からの美容」の要素を付加することができれば、大きな差別化材料になりそうだ。
同社はボンオリーブを「骨から始めるアンチエイジング素材」として導入したが、エビデンスの蓄積によって素材の位置づけが広がりつつある。同社は今後、ボンオリーブを機能性表示食品対応素材として展開できるようにするために、日本国内での臨床試験や安全性試験などを実施していく計画だ。日本人女性を対象に、骨の健康をはじめ脂質、更年期症状、さらに肌と、閉経後女性の健康課題を横断するデータを得ることができるかどうかが今後の焦点になりそうだ。
【石川太郎】
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