睡眠の質から月経前の精神的不調まで 【特集 女性の健康】植物由来の機能性素材で女性の健康をサポート
月経前の一時的な晴れない気分の軽減に役立つ──こうした機能性表示を行う機能性表示食品の届出が進んでいる。機能性関与成分は、ラフマ由来ヒペロシドおよび同由来イソクエルシトリン。植物抽出物メーカーの㈱常磐植物化学研究所(立﨑仁社長)が製造販売するラフマ葉抽出物に含まれる成分だ。もともと睡眠ケア機能で知られた同抽出物が、機能性表示の領域を女性の健康まで広げることになった。
ベネトロン、開発背景とある症例報告
「ベネトロン」。同社のラフマ葉抽出物のブランド名だ。機能性表示食品対応素材。同抽出物の規格成分であるヒペロシドおよびイソクエルシトリンを機能性関与成分とする機能性表示食品の届出件数は累計150件強を数える(3月下旬現在)。2017年3月以来、「睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上に役立つ」の機能性表示で届出を積み上げてきた中で、2023年12月、「月経周期が正常な健常成人女性の月経前の一時的な晴れない気分の改善に役立つ」旨の機能性表示を同社が届け出た。
現在においても、健康な女性の月経前の一時的な精神面の不調の軽減に及ぼす機能性表示が届け出られている機能性関与成分は、このラフマ由来成分の他には乳酸菌のガセリ菌CP2305株しか存在しない。
同社が「ベネトロン」を発売したのは20年以上前だ。開発の背景には、サプリメント等の原材料として用いられる西洋ハーブ、セントジョーンズワートの代替となり得る製品を開発することがあった。この西洋ハーブを巡っては、気分障害(軽度のうつなど)に対する有用性が知られていた一方で、光線過敏や薬物相互作用のリスクが報告されていた。
そのため同社は、セントジョーンズワートの複合的な有効成分群に関連する成分を含み、逆に、リスクの原因成分を含まない植物を探索。その結果として見出したのがキョウチクトウ科植物の一種で、原産国の中国では葉を茶として日常的に飲用してきたラフマ。それに含まれるフラボノイド配糖体(ケルセチン配糖体)のヒペロシドとイソクエルシトリンだった。両成分は、セントジョーンズワートの有効成分の一部とされていた。
こうした開発背景を踏まえ、発売後の比較的早い段階から女性の健康、具体的には月経前症候
群(PMS)や更年期症状に対する機能性に注目する向きもあった。婦人科医だ。セントジョーンズワートは、そうした症状に対する有効性も海外で一部報告されていた。同社によると、当時、実際に「ベネトロン」の摂取をそうした患者に勧めた医師がいた。その結果、うつ状態やイライラなどの改善が見られるなど、一定の有効性が示唆された。
社会的背景が新たな機能性表示を生む
とはいえ、当時は機能性表示食品制度がない。「ベネトロン」と女性の健康を巡る研究開発が深耕されることはなかった。だが、状況が大きく変わる。2015年に機能性表示食品制度が施行。さらに2020年頃から日本でも「フェムテック」や「フェムケア」といった新用語の認知が高まり始めた。女性活躍推進の政策的後押しも重なり、女性の健康が社会的テーマとして注目されるようになる。
これを受け、同社は研究投資を行い、MDQ(Menstrual Distress Questionnaire)を評価指標にして精神的・身体的不調に対する有用性を検証する臨床試験を実施。月経に伴う不定愁訴を感じる健常人成人女性を対象にしたこの試験の結果(論文)を基に、植物抽出物では現在のところ唯一の機能性表示の道を拓いた。
ちなみに、この試験では、「ベネトロン」にもともと報告されていた睡眠の質に及ぼす働きも併せて検証していた。このため、「月経前の一時的な晴れない気分の軽減と睡眠の質(起床時の睡眠に対する満足感)の向上」といったダブル・ヘルスクレームの届出も行えるようになっている。
ベネトロンが睡眠の質ケアと月経前の精神的な不調ケアの両方に機能するのはなぜか。
ベネトロンの機能性関与成分であるヒペロシドとイソクエルシトリンには、脳内のセロトニンの分解を抑制する働きが示唆されている。セロトニンは精神の安定に関わる神経伝達物質で、睡眠ホルモンであるメラトニンのもとにもなる。セロトニンが増えることで気分が安定し、メラトニンの生成も促されることで、睡眠の質が向上する。こうした作用が、月経前の気分の不調改善と睡眠の質の向上の双方に寄与すると考えられるという。
【石川太郎】
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所在地:千葉県佐倉市木野子158番地(本社・工場)
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URL:https://www.tokiwaph.co.jp/
事業内容:機能性表示食品対応素材、医薬品原薬、化粧品原料等の製造及び販売
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