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研究30年、「女性の健康」を事業の柱に 【特集 女性の健康】製薬企業の知見と強み活かし国内外で展開加速

 女性の健康を注力事業の1つに位置付け、『エクエル』や『トコエル』をはじめとするエビデンスに基づくサプリメント展開と社会啓発活動を推進している大塚製薬㈱(井上眞社長)。製薬企業ならではの長期的な研究蓄積と、医療チャネルを活かした独自の販売・啓発モデルは、国内サプリメント業界の中でも際立つ存在といえる。書面取材を通じて、女性の健康を巡る同社の取り組みの現在地を探った。

 『エクエル』に含まれるのは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されて生まれる成分「エクオール」であることが知られる。同社がエクオール研究を開始したのは1996年。2002年にエクオール産生乳酸菌ラクトコッカス20-92株の単離に成功し、大豆胚芽を発酵させて生成したエクオールについて安全性と有効性の研究を重ね、2014年に『エクエル』を発売した。研究開始から製品化まで、実に18年を要している。

 その後、手軽に摂取できるジュレタイプの『エクエル ジュレ』、月経前に着目した『トコエル』を女性の健康を巡る製品ラインアップに加え、現行の「大塚製薬のエルシリーズ」を形成した。ちなみに、γ-トコフェロールやγ-トコトリエノールといったビタミンEの一種を含有する『トコエル』も研究開発のスタートは1996年だったという。

女性の健康、「周囲も共に向き合う事柄」

 『エクエル』など「大塚製薬のエルシリーズ」の販売動向について具体的な数字は非開示。ただ、同社は取材に、「日本社会はこの10年で女性の健康課題の具体的な内容や、(女性の健康課題は)女性のみならず周囲も共に向き合うべき事柄であるという認知が広まりつつあり、その対策の1つとして大塚製薬のエルシリーズを選んでくださる方も増えている」として手応えを示す。

 加えて、女性の健康への取り組みは「特定の時期に限られるものではなく、生涯にわたり実践していくべきもの」と捉える生活者も増えているという。

 女性の健康を巡る同社の事業で特徴的なのは、医療機関や自社運営サイトを通じた情報提供体制の構築だ。製品や健康に関する情報を「正しくお伝えする」(同社)ことを重視した、製薬企業ならではの設計だと言える。

 それだけではない。女性の健康課題に取り組むための新たな概念として、日々のセルフケアに加え、医療専門家によるサポートを組み合わせた「新・セルフケア」を提案しているのも特徴だ。

 これを提案している背景には、一般的なセルフケアに加え、医療機関を利用している人ほど、生活満足度が高い傾向であることがある。そのことは、同社が2022年から毎年全国の女性を対象に実施している「女性のヘルスリテラシー調査」で示されている。

 「そうした背景もあり、すべての女性が自分らしく、心地よく、前を向ける日常を送れるように、『女性ホルモン』に関する正しい知識の習得や日々のセルフケアに加えて、医療専門家による健康状態の正しい把握を組み合わせた『新・セルフケア』を提案している」

グローバル展開、啓発活動は生涯全体へ

 その上で特筆すべきは、女性の健康を巡るグローバル展開だろう。海外ではここ数年、米国子会社ファーマバイト社を通じた展開を加速させている。

 2021年に尿路感染症(UTI)分野に強みを持つユコラ社(カリフォルニア州)を、23年11月には更年期向けサプリメントを手がけるボナファイドヘルス社(ニューヨーク州)を相次いで買収した。24年9月にはボナファイドヘルス社がクルクミンエキスなどを含有する更年期女性向けサプリ『Thermella(サーメラ)』を米国で発売。同製品は、ほてりや夜間発汗の緩和を訴求する製品だ(日本国内では未発売)。

 グローバル展開について同社は取材に、「日本での展開にとどまらず、海外(北米)において女性の健康分野に注力している企業を仲間に迎えることで、世界の人々の健康に貢献できると考えている」としつつ、「研究開発面でも日本と北米の会社間で連携し、知見を共有することで新たな価値を提案できる」と答えた。

 一方、国内では啓発活動を進化させている。

 企業向けセミナーは「以前は女性従業員を対象とした依頼が多かったが、周囲の認知・理解が上がらなければ解決につながらないため、最近では全従業員や管理職も対象」に変わった。

 また、25年4月には妊娠前から子育て期までの栄養情報を届ける「女性のための栄養ナビ」を公開した。女性の健康を巡る同社の視野と射程は、女性のライフステージ全体へと広がりつつあるようだ。

【石川太郎】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区神田司町2-9
TEL:03-6717-1400(代表)
URL:https://www.otsuka.co.jp/
事業内容:医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造販売など

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