女性の健康のための「ベース成分」 【特集 女性の健康】アグリコン型大豆イソフラボン推して四半世紀
女性の健康のための「ベース成分」──植物エストロゲン機能を有する大豆イソフラボンについて、ニチモウバイオティックス㈱(北谷明大社長)はそのように捉える。健康食品素材(原材料)事業者である同社にとって大豆イソフラボンは、四半世紀にわたり製造・販売している主要製品だ。アグリコン型、かつ、ダイゼインが豊富という特長を持つ同社の大豆イソフラボン素材「アグリマックス」と女性の健康の関係とは。
注目集めた「メノポーズ」論文
イソフラボンはフラボノイド系ポリフェノールの一種。大豆や大豆加工食品中に含まれるそれは通常、糖が結合した配糖体(グルコシド型)のかたちで存在し、腸内で分解されて糖が外れたアグリコン型で吸収される。ニチモウバイオティックスが国内外の健康食品市場に提供している大豆胚芽由来の「アグリマックス」は、あらかじめアグリコン型に加工されている。同社は、こうしたアグリコン化を吸収性向上につながる特長の1つとして訴求している。
もう1つの特徴は、ひと口に大豆イソフラボンと言っても複数の種類がある中で、ダイゼインを最も多く(約70%)含む点だ。同成分は、ゲニステインやグリシテインなどと並ぶ代表的な大豆イソフラボンの1つ。そして同成分が腸内細菌で代謝されて産生されることもあるのが、近年、女性の健康の観点で注目されているエクオールだ。
「アグリマックス」の機能性を巡り同社は、国内外の大学研究機関などと共同研究を行ってきた。その中で、特に更年期女性の健康維持・増進やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に対する有用性を示唆する知見として知られるのは、2008年に更年期医学を専門とする海外の査読付き学術誌『メノポーズ』に掲載された論文だ。
この論文は、同社が米ハーバード大学と連携しながら実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告したもの。論文のタイトルは、「Daidzein-rich isoflavone aglycones are potentially effective in reducing hot flashes in menopausal women」(ダイゼインリッチなイソフラボンアグリコンは更年期女性のホットフラッシュ軽減に有効である可能性)。
試験では、更年期女性に多くみられるホットフラッシュ(ほてり)が1日あたり4〜14回ある38〜60歳の女性190人を、プラセボ、「アグリマックス」40mg/日(イソフラボン量として)、同60mg(同)/日の3群に割り付け、12週間追跡。その結果、12週時点のホットフラッシュ頻度減少率は、40mg群が52%、60mg群が51%であったのに対して、プラセボ群は39%だった。「アグリマックス」投与群をまとめた解析ではプラセボに対して有意差が見られたという。
また、その翌年には、症例報告にとどまるが、不妊領域での有用性を報告するレポートが日本の『産科と婦人科』に掲載された。不妊患者35人が「アグリマックス」を3カ月間継続摂取したところ12人が妊娠したなどと伝えている。これをきっかけに、同社は不妊・着床領域の基礎研究を外部の大学研究機関などと連携して進めていくことになった。これがさらに「アグリマックス」を配合したサプリメントへの関心が産婦人科医らにも広がる契機になったという。
上乗せ30mg上限の課題と他にはない強み
それから15年余。この間にも同社は基礎研究を中心に、「アグリマックス」と女性の健康に関わる科学的知見の蓄積に努めた。2018年には、海外の分子生物学専門誌『Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology』に、子宮内膜症をテーマにした前臨床研究の結果を投稿、掲載された。卵巣子宮内膜症由来間質細胞の増殖抑制や炎症関連指標への作用などが細胞およびマウスモデルを用いた研究で確認されたことを報告している。
一方で、約20年経っても変わらないことがある。2006年に食品安全委員会が、大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価を巡って示した、いわゆる「上乗せ摂取量30mg上限」だ。同委員会は、大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限値を70~75mg程度とし、食事以外にサプリメントなどから摂取する場合の上乗せ摂取量については、アグリコン換算で1日30mgを上限の目安とする考えを示した。法的拘束力を伴うものではないが、この数字は現在も事実上の上限値として日本の大豆イソフラボン事業者を縛り続けている。同社の北谷明大社長はこう話す。
「上限値が見直されれば、我々が過去に取得したエビデンスを(機能性表示食品の届出に)生かせるようになる。だが、そうなることを期待していても仕方がない。若年女性ほど大豆や大豆食品の摂取量が少ない実態を踏まえれば、将来的にも、サプリメントは大豆イソフラボンの補給源として活用され続けていくと思う。我々としては、引き続きエビデンスを積み上げながら、アグリコン型でダイゼインが豊富である『アグリマックス』の強みを訴えていきたい」
【石川太郎】
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所在地:東京都港区浜松町1-6-15 VORT浜松町I 7階
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URL:https://nichimobiotics.co.jp/
事業内容:健康食品素材、健康食品および化粧品の製造・販売
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