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ナフサ供給不安、値上げ予定が5割 生団連の調査に食品メーカーら107社回答、8割超が「必要量に届かず」

 ナフサをはじめとする石油化学製品の供給不安を背景に、企業規模を問わず約5割が今後の値上げを予定していることが、消費者・業界団体のほか企業などで構成される国民生活産業・消費者団体連合会(生団連、阿南久会長)が10日までに公表した、会員企業へのアンケート調査結果で分かった。値上げ以外では、内容量・仕様の見直しや、一部製品の供給制限を予定していたり、終売・休売の可能性を視野に入れていたりする企業も一定数に上った。

 調査は6月8日から18日まで、生団連の会員企業654社を対象にオンラインで実施し、107社(大企業49社、中小企業58社)から回答を得た。

 この調査は、中東情勢の影響によるナフサ供給不安を受け、生団連が4月に実施した実態把握調査(会員企業対象)の追跡調査の位置付け。回答企業の約6割を食品・飲料メーカーが占めた。生団連では、「供給に関しては若干の改善が見られる」としつつ、「急激な不足から慢性的な不足感」へフェーズが変化していると分析している。

 1カ月前と比較した場合の供給量を問う設問では、「維持・改善」と回答した企業は大企業で24.5%、中小企業で22.4%にとどまった。最多は、企業規模の大小を問わず「やや悪化」で、大企業で63.3%、中小企業で65.5%。これに「悪化」と「かなり悪化」を合わせると、7割以上が1カ月前と比べて悪化していると回答した。

 また、必要供給量と比較した場合の現在の供給量を尋ねた設問では、「十分足りている」と回答した企業は大企業18.4%、中小企業17.2%。8割超の企業が必要量に届いていないと回答した。さらに、「現在の状況が続いた場合の事業への影響の大きさ」を尋ねたところ、最多は「中程度」(大企業57.1%、中小企業62.1%)。「影響なし」と回答したのは、大企業2.0%、中小企業0.0%に過ぎなかった。「極めて深刻」の回答もあり、大企業で2.0%、中小企業で1.7%だった。

今後の対応、「値上げの予定」が最多に

 供給不足への対応については、すでに実施した対応と、今後予定している対応をそれぞれ尋ねた(複数回答)。その結果、前者については、「特になし」が大企業40.8%、中小企業32.8%、「製品価格の改定(値上げ)」はそれぞれ30.6%、36.2%と、大企業の値上げ実施率は中小企業を下回っていた。そのほか、「内容量・仕様の見直し」は大企業30.6%、中小企業31.0%、「一部製品の供給制限」は大企業22.4%、中小企業15.5%だった。

 一方で、後者(今後予定している対応)の最多は大企業、中小企業ともに「値上げ」だった。大企業で53.1%、中小企業で50.0%に上る結果となり、生団連では、「ナフサ供給不安による事業・生活への影響が続く」との見方を示す。

 調査ではこのほか、商品出荷への影響が大きいものを尋ねた(最大3つ選択)。その結果、大企業の最多は「物流・出荷資材(ストレッチフィルム等)」で67.3%(中小企業62.1%)、中小企業は「商品の原材料・部材(容器・包装材等)」で67.2%(大企業59.2%)だった。そのほか、「印刷インク」は大企業28.6%、中小企業17.2%、「作業用衛生資材(ゴム手袋等)」は14.3%、25.9%、「設備洗浄用資材(洗浄剤等)」は10.2%、8.6%となった。

 また、「仕入れ先からすでに受けている説明・見通し」を尋ねる設問(複数回答)では、大企業の場合、最多は「従来量以上の発注お断り」で63.3%。次いで「供給の確約ができない」(53.1%)、「新規発注お断り」(44.9%)、「次回納品量が直前まで不明」(32.7%)、「今後厳しくなる見込みの連絡」(26.5%)、「特に説明なし」(10.2%)と続いた。

 他方、中小企業では、「供給の確約ができない」が55.2%で最多。次いで「従来量以上の発注お断り」(53.4%)、「新規発注お断り」(48.3%)などと続いた。

先行き「見通し立たない」

 さらに、米国とイランが戦闘終結に向けて合意した後に行った追加調査(6月24日~26日。107社中70社対象に調査、回答48社=大企業25社、中小企業23社)で、ナフサ関連製品の供給量への影響が続くとみられる期間を尋ねたところ、大企業、中小企業ともに3割超が「見通しが立たない」と回答。また、仕入れ価格への影響が続くとみられる期間を尋ねる設問でも、大企業の48.0%、中小企業では65.2%が「見通しが立っていない」と回答した。

 調査結果を踏まえ、生団連は今月1日、政府に対して要望書を提出。ナフサをはじめとする石油化学製品の早期の目詰まり解消に向けた具体的対策の展開をはじめ、価格転嫁の円滑化と生活者への丁寧な情報発信などを求める提言を要望書として取りまとめ、赤澤亮正経済産業大臣に手交した。

【石川太郎】

(文中の写真:要望書手交の様子。生団連の阿南会長と赤澤経済産業大臣。生団連提供)

関連資料:生団連ニュースレター Vol.114

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