ナフサ不足、健康食品包材にも波及 包装資材2~3割高騰、工夫する受託工場
ナフサ(粗製ガソリン)不足の影響が、健康食品業界の包装資材にも広がっている。健康食品受託製造企業の関係者は、ビニール系やアルミ系包材の価格上昇や納期遅延が発生している現状を明かし、資材確保の不透明感が強まっていると説明した。
「在庫は8月頃まで」(ある受託工場)
ナフサはプラスチックや包装フィルム、インクなど石油化学製品の原料となる。食品業界ではすでに、ポテトチップスなど一部食品で包装資材やインク不足による影響の広がりが報じられている。
健康食品受託工場の関係者は、「特にビニール系、アルミ系の包材は値段が上がっている」と説明。化粧箱そのものよりも、シュリンク包装や封印シールなど石油由来資材への影響が大きいとした。
価格上昇幅については、「2割から3割上がっている」と証言。見積後や発注後でも値上げ要請が入るケースがあるとし、「注文書を出した後でも『この価格では出せない』と言われることがある」と厳しい実情を語った。
さらに、納期遅延も発生しているという。資材メーカー側からは、「過去実績以上は出せない」「それすら約束できない」と説明を受けているといい、錠剤用ビニール資材についても「8月頃までは在庫を確保しているが、それ以降は不透明」とした。
ただし、こうした状況を受け、この受託工場側では包材使用量を減らす工夫を進めている。
具体的には、化粧箱を糊付けやシュリンク包装ではなく、「はめ殺し」(ツメ付差込式)の構造に変更する提案を実施。開封時に箱を破る方式とすることで、封印シールやシュリンクフィルムを削減できるという。
また、PTP包装やピロー包装など多層包装を見直し、大型袋包装への切り替えなども提案していると説明している。
受託工場側は、過去の原料高騰時には価格転嫁が十分できず利益が圧迫された経験があるとし、「上がるものはしっかり説明する」、「高く買って安く売ることはしない」と述べ、価格改定への理解を販売会社に求めているという。
健康食品業界では、包装資材の確保やコスト上昇への対応が、今後の安定供給や価格形成に影響を与える可能性がありそうだ。
官房長官がナフサ不足問題で会見
木原官房長官は22日の記者会見で、カルビー㈱によるポテトチップス包装の白黒化や、ナフサ不足問題を巡る質問に対し、「そのような事実はございません」と述べた。

質問では、カルビーがナフサ由来のカラーインク不足を背景に、ポテトチップス包装をカラーから白黒へ変更したことについて触れた上で、朝日新聞の報道で「官邸幹部が売名行為と発言した」と報じられている点。
独立系メディア「Arc Times(アークタイムズ)」の尾形記者は、「企業の悲鳴を売名行為であるというふうに官邸は受け取っているのか。むしろこれは、官邸側が大丈夫、大丈夫と代替調達していると言うため、実際には川上だけではなく、川中、川下でいろいろな企業が苦しんでいる状況がある。これはむしろ官邸側の責任ではないか」という趣旨の質問を行った。
これに対し、木原官房長官は、「そのような報道は承知しているが、具体的なメーカーや事柄に対するコメントは差し控える」と応じた。
ウェルネスデイリーニュースでは既報のとおり、カルビー㈱が中東情勢の緊迫化に伴う原材料調達不安を理由に、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」、「フルグラ」など計14品について、パッケージ印刷インクの色数を従来仕様から2色へ変更すると発表していた。切り替えは5月25日以降、順次行われるとしている。
また、カゴメ㈱は白インク需給逼迫を理由に、「カゴメトマトケチャップ」の外装デザインを透明仕様へ変更。㈱日清製粉ウェルナも、「マ・マー スパゲティ」などの結束テープを印刷入りから無地へ変更すると発表している。
他にも、ぎょうざの袋や刺身の蓋ラップなど、食品業界ではさまざまなナフサ危機が広がっている。こうした動きについて政府は、「現時点で直ちに供給上の問題は生じていない」と説明している。
アークタイムズのYouTube動画では、元朝日新聞記者の尾形聡彦記者、経済学者の金子勝慶應義塾大学名誉教授が取材に基づいたナフサ論を展開している。
【田代 宏】
木原官房長官と尾形記者とのやりとりはこちら(内閣官房長官記者会見:6分46秒~)
(文中の画像:首相官邸HPより)

