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紅麹訴訟、小林製薬に菌株特定求める 薫製倶楽部が3項目の求釈明

 小林製薬㈱(大阪市中央区、豊田賀一社長)の紅麹関連製品を巡り、㈱薫製倶楽部(岡山県早島町、森雅昭社長)が同社と小林製薬バリューサポート㈱(同、冨永剛社長)に損害賠償を求めた訴訟で、原告側が大阪地方裁判所に提出した求釈明申立書の内容が明らかになった。森社長はウェルネスデイリーニュース編集部の取材に対し、新たな国賠訴訟を準備していることも明らかにした。

 原告は、小林製薬が製造販売した『紅麹コレステヘルプ』に使用された紅麹菌株と、自社が使用していた食品用紅麹原料「5P-D」の菌株について、それぞれ特定を求めている。さらに、健康被害の原因究明に関する7日間反復経口投与毒性試験についても、小林製薬が試験委託者と被験物質の供給者だったかどうかの認否を求めた。22日の第1回口頭弁論では、被告側は求釈明に回答する必要性を認めず、応じない意向を示した。

2種類の原料、菌株の異同を問う

 森氏によると、求釈明の第1項目は、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」に使用された原料紅麹が、特許第5283363号に記載された「NITE BP-412株」で製造されていたかどうかというもの。
 第2項目では、薫製倶楽部が小林製薬バリューサポートから購入した食品用紅麹原料「5P-D」に、紅麹菌「Monascus pilosus NBRC4520株」が使用されていたかを質問。異なる場合には、実際に使用された菌株の特定を求めている。
 原告側は、両製品に使用された菌株の異同が、自社製品の回収の必要性や原料供給者の説明義務の有無に関わる基本的な事実だと主張している。

 小林製薬側は10月15日付の答弁書で、自社の「紅麹コレステヘルプ」などに使用した原料と、企業向けに販売していた紅麹原料が異なる製品であることを認めているものの、回収要請は健康被害の拡大防止のための予防的措置だったと説明し、原告が主張する説明義務違反を否認している。

企業資料と特許公報に着目

 森氏が菌株の特定を求める根拠の1つとして挙げるのが、小林製薬グループの企業向けホームページと、紅麹菌に関する特許公報である。

 小林製薬のホームページを保存した資料には、同社がポリケチドの一種であるモナコリンKの生産性が高い紅麹菌について、特許第5283363号を紹介する記述がある。
 同特許は、グンゼ㈱を特許権者とする「モナコリンK生産性に優れた紅麹菌株」に関するもので、2013年に登録された。特許請求の範囲にはNITE BP-412株が明記されている。
 また、小林製薬バリューサポートの原料カタログには、サプリメントなどに使用される紅麹原料「3P-D20」のモナコリンK含量が、100g当たり2,000mg(2%)と記載されている。

 2024年3月28日に小林製薬が厚生労働省の調査会へ提出した資料では、「紅麹コレステヘルプ」に使用された「3P-D(M11)」と、企業向けに販売された「3P-D20」は、いずれも「菌種A」に分類されている。薫製倶楽部が使用していた「5P-D」は「菌種B」に分類されている。

 森氏は、これらの資料と企業向けホームページ、特許公報を照合し、「紅麹コレステヘルプ」にNITE BP-412株が使用されたとの見方を示している。原告側は、こうした点について被告側に認否を求めている。

毒性試験の委託・供給についても質問

 求釈明の第3項目は、ラットを用いた7日間反復経口投与毒性試験について、小林製薬が試験委託者だったか、また被験物質を供給したかどうかというもの。

 厚労省が開示した「BK1、BK2及びPA:ラットを用いた7日間反復経口投与毒性試験」の最終報告書には、試験期間が24年3月29日から6月25日までと記載されている。同報告書によると、試験委託者は小林製薬で、被験物質であるBK1、BK2、プベルル酸(PA)の供給者も同社とされている。

 小林製薬側は答弁書で、試験期間の開始日が3月29日であることを認めている。森氏は今回、委託者と被験物質の供給者についても、被告側に明確な認否を求めた。
 森氏はこれまで、健康被害の原因究明に製造企業が関与した経緯について、研究の独立性などの観点から検証の必要性を訴えている。

被告側は回答の必要性認めず

 22日の第1回口頭弁論では、原告側から当日提出された求釈明申立書について確認が行われた。被告側は回答の必要性を認めず、回答する予定はないとの立場を示した。
 森氏は次回期日までに書面による回答を求めている。
 原告の反論書面提出期限は11月12日。次回の第2回口頭弁論は同30日午後1時30分から大阪地裁で開かれる予定である。

新たな国賠訴訟も準備

 森氏は25日、ウェルネスデイリーニュースの取材に対し、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)による紅麹関連製品の原因究明を巡り、新たな国家賠償請求訴訟の提起を準備していることを明らかにした。同氏によると、プベルル酸の同定や紅麹原料への含有について、研究・調査の根拠を明らかにすることが目的という。

 森氏は、NIHSに対して疑義を申し立て、内容証明郵便も送付したが、回答がなかったと説明した。また、関連論文の利益相反に関する記載の訂正や、厚労省の研究報告資料の公開状況も問題視している。大阪健康安全基盤研究所についても、新たな訴訟を起こすか検討しているという。

【田代 宏】

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