コロナワクチン訴訟、両者がコメント Meiji Seikaファルマ「勝訴」、原口氏は公益性強調
Meiji Seikaファルマ㈱(東京都中央区、永里敏秋社長)が原口一博元衆議院議員を相手取り提起した名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟で、東京地裁が220万円の支払いを命じた判決について、同社と原口氏が30日、それぞれ見解を明らかにした。
同社は「勝訴判決を得た」と発表。一方、原口氏は自身のYouTube番組で、公益目的での発言だったことが判決で認められたとの認識を示し、控訴の是非については弁護士と協議すると述べた。
Meiji Seikaファルマ、一部発言の名誉毀損を指摘
同社は30日付で「訴訟の判決に関するお知らせ」を公表した。それによると、東京地裁は原口氏による「生物兵器」、「人体実験」、「七三一部隊」などの発言の一部について、名誉毀損に該当すると判断したという。
同社は、事実誤認に基づく発信や科学的知見に基づかない発信、正当な批判・論評の域を超えた発信によって人々の不安をあおる行為について、医療に関わる企業として看過できないとの考えを示した。
また、代表取締役会長の小林大吉郎氏は、同社の主張が認められたことについて、SNSなどでの同社や同社製品に関する言説に対し、一定の司法判断が示されたと評価。今後もEBM(根拠に基づく医療)に基づく感染症対策やワクチン接種に関する情報発信を推進する方針を示した。
原口氏、公益目的の認定に言及
一方の原口氏は30日早朝、自身のYouTube番組「10月29日 東京地裁判決いい渡しについて 判決文と今後の対応についてご報告」(原文ママ、~10分)で、判決について説明した。
原口氏は、特定企業を中傷する意図はなかったと改めて強調。国会議員として国民の命と健康を守る目的で発言してきたと述べ、公益を図る目的であったことが判決でも認められたとの認識を示した。
ワクチン接種の是非や価格、国の政策について、国会議員として予算の使い道や法の執行を論じる立場にあると説明。「論評というのはやはり国会議員自由に認められている」と述べ、国会議員による論評の自由を改めて強調した。
また、220万円の賠償命令については「一部敗訴」と受け止めつつ、認容額の内訳は損害賠償200万円と弁護士費用20万円との理解を示した。さらに、ベトナムでの治験における18人の死亡に関する自身の発言や、公正な論評についても、判決で一定の判断が示されたとの認識を示した。

※本表は、Meiji Seikaファルマの発表および原口一博氏のYouTubeでの発言に基づき、編集部が作成した。2026年10月30日現在、判決文は未確認。
「七三一部隊」、「生物兵器」の発言を説明
原口氏は、問題とされた「七三一部隊」という表現について、Meiji Seikaファルマを指したものではないと説明。また、「生物兵器」についても、同社が生物兵器を製造していると述べたわけではなく、安全保障上の一般的な問題意識に基づく発言だったと主張した。
当時の発信について、伝聞と事実の区別が十分でなかった可能性にも言及。企業側に迷惑をかけたとすれば申し訳ないとの趣旨を述べた。
控訴については、判決内容を精査し、弁護士と相談して判断するとした。
判決理由の詳細、なお確認できず
既報のとおり、東京地裁民事第30部は29日、原口氏に対し220万円の賠償を命じている。同訴訟では、原告が損害総額を61億2,832万円と主張し、その一部として1,000万円の賠償を請求していた。
法廷での判決言い渡しでは主文のみが読み上げられ、事実関係と判決理由の説明は省略された。
【田代 宏】

