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小林製薬、死亡事案の継続調査ゼロ 消えた1件の行方は説明せず、補償実績も非公表

 小林製薬㈱(大阪市中央区、豊田賀一社長)は8月31日、紅麹関連製品を巡る死亡関連事案について、8月23日時点で詳細調査を継続している事案が0件となったことを、ウェルネスデイリーニュース編集部への回答で正式に認めた。8月2日時点では「調査継続」が1件あったが、その後どのように整理されたのかについては、プライバシーなどを理由に回答を控えた。死亡が関連する問い合わせについて補償実績があるかどうかについても、具体的な説明はなかった。

「調査継続」1件が「その他」へ?

 同社ホームページ「紅麹コレステヘルプ等に関する事例数」によると、8月2日時点の「死亡が関連するお問い合わせ数」は合計428件。このうち「摂取の実態なし」が273件、「詳細調査対象」が155件だった。

 詳細調査対象155件の内訳は「調査継続」1件、「調査完了」55件、「その他」99件。「その他」は、詳細調査の同意が取得できないなどのため、調査が困難な件数とされている。

 ところが8月23日時点では、詳細調査対象155件、調査完了55件に変化がなかったものの、「調査継続」が1件から0件へ減少。「その他」は99件から100件へ増加した。

 数字上は「調査継続」の1件減と「その他」の1件増が同時に生じているが、両者が同一事案であるかどうかは公表資料から確認できない。

※1 件数の表示方法の変更前に公表していた5事例を含む。
※2 紅麹コレステヘルプ等を摂取していなかったことが確認された件数。
※3 確認の手続きの対象となる件数。
※4 現在詳細調査中の件数。
※5 詳細調査の同意が取得できない等のため、調査が困難な件数。
※6 カッコ内は腎関連疾患のみの件数。

小林製薬「詳細調査中はない」

 編集部はこのため、8月2日時点で調査継続とされていた1件が8月23日時点でどの区分に整理されたのか、「調査完了」が55件のまま変わらず「その他」が100件へ増加した理由などについて、同社に説明を求めた。

 これに対し同社は、「紅麹コレステヘルプ等に関する事例数」の内訳の変更理由について、ご遺族との個別のやり取りに関する内容が含まれるとして、「プライバシー等の観点から、弊社ホームページに記載している内容以上の回答は差し控える」と回答した。

 ただし、「8月23日時点で詳細調査継続中の事例がないとのご理解には相違ございません」と回答。死亡が関連する問い合わせのうち、詳細調査を現在も継続している事案が0件となったことについては明確に認めた。

 死亡関連事案の調査について同社は、死亡した人の治療などを行った医療機関に対し、詳細情報の確認・調査を行うなどして、紅麹関連製品の摂取との関連性を確認していると説明。その結果については、従来どおり「現時点で紅麹コレステヘルプ等の摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明しておりません」とした。

死亡関連の補償実績は非公表

 補償についても回答した。同社によれば、死亡が関連する問い合わせかどうかにかかわらず、対象製品の購入時期、摂取状況、症状の発症時期・内容、医師の診断書の内容などを総合的に勘案し、症状と紅麹関連製品の摂取との間に「相応の因果関係」があるかを確認しているという。

 ただし、死亡が関連する問い合わせについて実際に補償を行った事例があるのかどうかについては明らかにしなかった。補償の進捗状況や内容についても、プライバシーなどを理由にホームページ掲載内容以上の回答を控えるとした。

「症例が存在しない」は使わず

 今回の回答は、8月6日に開催された同社の2026年12月期第2四半期決算説明会で、広報・IR部が編集部に対して「別途説明する」とした質疑を受けたものでもある。
 同日の質疑では、同社が「当該製品の摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明していない」としていることについて、編集部が死亡との因果関係が分からないという意味なのかを質問した。
 これに対して広報・IR部は、「調査中、判明していないのではなくて、症例が存在しない」と説明。編集部が「判明していないことと因果関係が分からないことはイコールではないか」と重ねて質問すると、同部は「お互いの見解が少し食い違っている」として、後日改めて説明するとしていた。

 8月31日付の回答では、この点について「本回答をもってご説明とさせていただきます」とした。ただ、今回の書面では「症例が存在しない」との表現は用いず、「摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明しておりません」とする従来の説明を改めて示した。

 死亡が関連する問い合わせについて、詳細調査を継続している事案が0件となったことは今回確認された。しかし、8月2日時点で「調査継続」とされていた1件がどのように整理されたのか、また死亡関連事案について補償実績があるのかについては明らかになっていない。

 紅麹問題を巡る死亡関連事案の調査は、新たな段階を迎えたことになる。調査継続中の事案がなくなった中で、詳細調査対象155件がどのような経緯と判断によって整理されたのか、調査と補償との関係を含め、情報開示の在り方が引き続き問われる。

 参考までに、7月20日~8月23日における「紅麹コレステヘルプ等に関する事例数」の動きを紹介する。

【田代 宏】

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