小林製薬、紅麹補償520人認定 詳細調査件数増加理由は回答控える
小林製薬㈱は6日、2026年12月期第2四半期決算説明会を開き、紅麹関連製品による健康被害への補償状況を公表した。補償対象者は520人となり、このうち380人への支払いを完了した。ウェルネスデイリーニュース編集部が、同社ホームページで公表している詳細調査対象件数が153件から155件へ増加した理由や、死亡事案に関する公表基準について質問したところ、同社は個別症例を理由に回答を控え、一部については後日改めて説明するとした。
補償対象520人、380人への支払い完了
同社が公表した7月31日時点の補償状況によると、補償対応窓口への問い合わせは1,350人、補償申請書類を受け付けた人は900人。このうち890人の書類確認を終え、補償対象となった520人のうち380人への慰謝料などの支払いを完了した。140人については治療継続中または補償内容を協議中としている。
また、「当社の調査において、現時点で当該製品の摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明していません」との従来の見解を引き続き示した。
詳細調査件数増加の理由は非公表
質疑応答では編集部が、「紅麹コレステヘルプ等に関する事例数」詳細調査対象件数が153件、154件、155件と1件ずつ増加した理由と、「調査継続」、「調査完了」、「その他」の分類基準について質問した。
これに対し同社は、増加理由について「個別の症例については公表していない」と回答。分類基準については、顧客とのコンタクト状況などを踏まえて整理していると説明したものの、詳細な判断基準は明らかにしなかった。

死亡事案の公表基準巡り見解平行線
編集部は併せて、死亡事案の補償について、治療中の健康被害者に関する補償対象者数や支払い状況を公表しているものの、死亡事案では補償の有無や件数を公表していない理由を質問した。これに対し同社の豊田社長は、主治医へのヒアリングや外部専門機関、弁護士の意見を踏まえて因果関係を判断しており、「因果関係が分からないから公表していないわけではない」とこれまで過去に何度も行ってきた説明を繰り返した。その上で、治療中の健康被害者については「因果関係は一定程度判断できたため補償対象に加えている」と一歩踏み込んだ回答を行った。
そこで編集部は、治療中の被害者については一定程度の因果関係を認めて補償しているのであれば、死亡事案について「当社製品の摂取によりお亡くなりになったことが明らかな症例は判明していません」としていることを挙げ、「判明していない」ということは「因果関係が分からない」ということかと聞いた。
司会を務めた広報・IR部は、「調査中で判明していないのではなく、当社製品の摂取によって死亡したことが明らかな症例は存在しないということだ」と説明。
編集部が「判明していないことと因果関係が分からないことはイコールではないか」と再質問したところ、司会者は「見解が食い違っているため、後日改めて説明する」として、この場での議論を終えた。(⇒一問一答の詳細は「会員専用記事閲覧ページ」へ)
広告再開で増収、利益は大幅減
同日発表した2026年12月期第2四半期連結決算は、連結売上高は707億円(前年同期比2.5%増)と増収となったが、営業利益は21億円(同67.5%減)となった。
前年の紅麹関連事案による広告自粛の反動で広告費が約40億円増加したことなどが利益を押し下げた。
ヘルスケア関連製品では、広告再開効果により店頭販売が回復し、医薬品・オーラルケア・食品カテゴリーはいずれも前年を上回った。第3四半期にはパルタック株式売却に伴う約33億円の特別利益を計上する予定で、中国子会社譲渡に伴う特別損失も見込む。会社は中東情勢による影響について、価格改定や経費コントロールで吸収するとし、通期業績予想を据え置いた。
【田代 宏】

