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不実証広告規制を見直しへ 規制改革推進会議が答申

 規制改革推進会議が6月29日に取りまとめた答申において、景品表示法に基づく「不実証広告規制」の運用見直しが盛り込まれたことが分かった。商品の効果や性能を誇張した表示に対し、企業が提出した裏付け資料を「合理的根拠でない」と判断した理由を具体的に示し、公表することなどを求める。今年度中に検討を開始し、来年度には結論を出すスケジュールを掲げる。

不実証広告規制の仕組みと現状の課題

 景表法第5条第1号は、実際よりも著しく優良であると誤認させる「優良誤認表示」を禁止する。消費者庁は違反の有無を判断するために必要がある場合、表示の裏付けとなる「合理的根拠資料」の提出を事業者に求めることができる。資料が未提出、あるいは不十分な場合には優良誤認表示とみなされる。これが同規制の仕組み。

 現行運用に対し、事業者からは「消費者庁が考える『一般消費者が受ける印象・認識』の内容や、なぜ資料が不十分と判断されたのかという理由が明確に説明されない」との不満が根強く存在する。こうした状況下では、事業者は過去の失敗を次なる広告制作に活かすことができず、過度な萎縮を招く懸念がある。具体的な数値記載を避けたり、新たな技術開発を伴う新製品の投入が遅れたりするなど、企業のイノベーションが阻害されているとの指摘もなされている。

 一方で消費者団体からは、事業者と消費者の間に存在する情報の非対称性を解消すべきとの声が上がる。消費者の権利保護を考える上で、消費者庁による調査結果は有益な情報源となるため、措置命令書などの記載内容を充実させ、透明性を高めるべきだという主張が強まっている。

 こうした状況を受け、総務省行政不服審査会も厳しい見解を示す。同審査会は令和3年度答申第72号および同第74号において、現状の理由提示には改善の余地があると明言。「なぜ提出資料を合理的根拠資料と認めなかったのか、理由が理解しやすく記載されているとは言い難い」と指摘した。さらに、処分を伴う命令を行う際は書面での理由提示が不可欠であり、運用指針上の要件充足関係を含め、提出資料に対する評価を具体的に記すことが望まれるとしている。

糖質カット炊飯器訴訟の経緯

 近年の事例として注目を集めたのが、㈱forty-four(東京都渋谷区、獅子内善雄社長)が販売する糖質カット炊飯器『LOCABO』を巡る訴訟。消費者庁は2023年10月、同製品の広告が優良誤認表示に該当するとして同社を含む4社に対し措置命令を下したが、同社はこれを不服として提訴した。

 一審の東京地方裁判所は、「消費者庁の認定に誤りがあり、措置命令は違法」として取り消しを命じた。国側は控訴したが、6月10日の控訴審判決でも東京高等裁判所が国側の控訴を棄却し一審判決を支持。これを受け、消費者庁は6月25日に上告しないことを決定、同社に対する措置命令を取り消した。同庁による措置命令が司法の判断で取り消される事態は、今回が初めてとなった。

 今回の答申では、事前調査や資料提出要求の段階で、消費者庁が考える「一般消費者が受ける印象」について事業者に説明することを求めた。また、営業秘密に配慮しつつ、合理的根拠ではないと認定した理由を具体的に説明・公表することも掲げている。

 きのう2日、消費者庁の堀井奈津子長官は定例の記者会見で、「これから政府において、規制改革実施計画が定められることになっている。消費者庁としては、今回の答申と実施計画の内容を踏まえて、今後対応を検討することになる」と話した。

【藤田 勇一】

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