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沖縄ブランドの確立を目指す 【九州・沖縄】WELLNESS OKINAWA JAPAN座談会(中)

沖縄の魅力を全国の消費者へ
県産の原材料で差別化

宮國 当社は21年8月に第6回認証商品になった『WELLNESS OKINAWA ウコン粒』を展開しております。同品は、沖縄県産の春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類をバランスよく配合しております。沖縄県産シークワーサー果皮粉末や県産サンゴカルシウムなども配合しています。

 従来、ウコンはどちらかというと男性向け商品というイメージがあるのですが、今回、あえて「女性向け」をコンセプトに商品設計し、女性が携帯しやすいデザインパッケージを採用しました。通信販売による2ステップモデルを構築しており、5月上旬から本格的に販売します。以前、協議会を通じたインフルエンサーによる販売、県内情報誌への掲載によるマーケティングを行ったところ、かなりの反響がありましたので期待しています。自社のECサイト、楽天などのモール販売なども行います。

照屋 ウコンの女性向け商品はこれまでなかったのでしょうか?

宮國 ウコンで検索しますと、残念ながら上位に出てくるのは、県外企業のウコン商品ばかりで、そのほとんどが大手メーカーの男性をメインターゲットにした商品ばかりでした。そこで、沖縄県産のウコンを展開するにあたり、同様のコンセプトでは当然厳しいので、あえて女性向けというコンセプトに舵を切ったということです。ウコンにシークワーサー果皮粉末や県産サンゴカルシウムを加えたのも、沖縄色を前面に出すためです。また、女性をターゲットにした商品を展開することで、これに終わらず、さまざまな商品展開ができるのではないかと考えました。


稲福 当社の名前は、「物語を語る人(カタルヒト)」と触媒を意味する「キャタリスト」に由来します。18年9月の第1回認証で『シンジムンの力発酵シークヮーサー』、12月の第2回認証で『ベジカラサプリ まるごとアセロラ 天然ビタミンC』、『果実まるごと 発酵シークヮーサー&アセロラ 天然ビタミンP+C』、21年8月の第6回認証で『琉球潤果茶』の4品をWOJ認証商品として展開しています。

 沖縄産天然素材、そして製法や工程にこだわり、規模は小さくても、また機械は最新ではなくても、自分たち、県内でモノづくりを完結しようという考えから、WOJの三拍子基準のコンセプトに賛同し、制度創設当初から携わっています。また、これから、WOJブランドを活用した広告戦略で、EC・楽天などで通販による直販を強化します。

課題が山積するWOJ
県内における存在感を高める

照屋 WOJのスタートから4年が経過しました。認知度や参画企業数の問題など、まだまだ課題も多いと思います。創設から現在の運営まで携わる立場からのご意見をお聞かせください。


宮國 個人的には、健康食品のブランド化推進強化事業のスタート時から参画しております。プロジェクトチーム発足時、「三拍子戦略」として動き始めました。この「戦略」という言葉が「あまりにも攻撃的で、売り手目線になっていないか」という意見がありました。このブランド化は誰のためのものなのかを考え直す、とても良いきっかけとなったように思います。

 売り手のためではなく買い手、つまり消費者目線に立って考えようということで、現在の「三拍子基準」となったわけです。短い期間ではありましたが、濃密に議論を重ね、沖縄県健産業協議会の会員企業が納得できる制度になったと自負しております。それから制度がスタートして4年が経とうとしているわけですが、13社23商品がこれからどれだけ増えるのか、どうやって増やしていくのかというのを考えなければなりません。

照屋 沖縄美健販売さんとして初めての認証商品が昨年誕生しました。参画企業としてのご意見をお聞かせください。

宮國 当社としては、第6回認証で初めて『WELLNESS OKINAWA ウコン粒』が認証商品となったわけですが、戦略として同認証を生かしながら協議会、認証制度の発展に貢献したいと考えております。その一環として、商品名にあえて「WELLNESS OKINAWA」という言葉を入れました。将来的にWOJが拡大し、ともに発展していきたいという思いを込めています。そのためにも、WOJがより多くの人に認知され、数多く検索されるようにしなければなりません。

 協議会会員企業と消費者のお互いがWIN-WINの関係が築けるよう、両者にとってメリットがあるような商品の提供を通じて、WOJの発展に貢献したいと思います。WOJのお披露目の場となっていた、年に1回開催される「おきなわ産業まつり」が、残念ながらコロナで中止になってしまいました。これを嘆いていても仕方ありませんので、販売店や地元のテレビ・新聞などのマスメディアを巻き込んで何ができるのか考えたいと思います。お互い知恵を絞って、まずは県民への周知を図りたいと思います。

県内の参画企業の増加がカギ
制度のメリットを示せるか

照屋 企業の参画において、運営側としてさまざまな手を打ってきました。しかしながら、認証商品数・参画企業数ともにまだ十分とは言えず、第7回時点で13社23商品というのが現状です。沖縄県健康産業協議会には60社の会員企業がいますが、賛助会員と化粧品を除き、健康食品の製造・販売を行う事業者だけでも50社あります。県からも、「50社ある中で13社という現状だが、まだ広がらなければならないのではないか」、「制度の認知度が低い」という指摘を受けています。会員企業への浸透も重要ですし、新規参入のための入会促進なども重要です。認知度を高めるための戦略、消費者に届けるための仕掛け・プロモーションについてはいかがお考えでしょうか。


稲福 以前のように、ただ単に広告代理店にお願いして広告を出稿するというのは、もう限界だと思います。広告代理店は確かに広告を出稿するプロですが、商品の開発ストーリーや商品にかける思いまでは十分に共有することはできません。

 そこで私は、これまでの広告代理店への依頼をやめ、自らで勉強し自らで広告を運用することに舵を切りました。今は必要な情報を容易に獲得できる環境にありますので、全国で同じ目標を持った個人のつながりによるコミュニティーをオンライン上で作ることができます。そこでお互いの問題点、目標を共有することで、自分たちの力で知識やスキルを高めることができるということを知り、実行しています。これまでのように、まず予算ありきではなく、経営者が積極的に情報を集め勉強し、知恵を使うということです。当たり前のことなのかもしれませんが、私にはその意識が欠けていたのかもしれません。

 WOJという1つの共通項があるわけですから、そこで連携し、一緒に取り組む仕組みが作れるのではないかと思います。

会員企業同士での協力体制
共有のコンテンツでWOJを解説

照屋 制度が発足して3年が経過した昨年、初めて制度にエントリーされました。発足から認証までに時間がありましたが、その間、制度をどのように見ていましたか。認証にチャレンジしていない企業に向けてのヒントになればと思います。


宮國 当社の事業は、もともと商品企画やOEMが主で、自社のPB商品を展開しておりませんでした。そのため、自社商品による申請は21年8月の第6回となったわけですが、それまでも、自社の立場でできることをやっておりました。実際、第1回目に8商品が認証されたわけですが、その時に、今後の盛り上がりに期待し19年8月の第3回認証商品となったサイオンリンク(合同)さんの『沖縄青汁蒟蒻桑ゼリー』をプロデュースしました。当社が得意とする商品の企画と、アドバイザーによる認証の申請支援まで、一貫したお手伝いをさせていただくことができました。

 まだチャレンジしていない会員企業の中にも、魅力的な商品はたくさんありますし、チャンスがあれば挑戦したいという会員以外の企業もたくさんあると思います。こうした申請を支援できる人材を増やすことで、申請企業や申請商品が増えるのではないかと思います。

照屋 協議会の中で、WOJをお互い連携していく働きかけをしていただく方を「WOJプランナー」に任命し、昨年は稲福さんにお願いしました。今回、座談会に参加いただいた金秀バイオさん、沖縄美健販売さん、カタリスト琉球さんは、WOJに関してすでに連携した業務をしていただいております。具体的には、『WELLNESS OKINAWA ウコン粒』は金秀バイオさんが製造を請け負っておられますし、先ほどもありましたが、サイオンリンク(合同)さんの『沖縄青汁蒟蒻桑ゼリー』は宮國さんが支援されました。

 また、カタリスト琉球さんも㈱アセロラフレッシュさんのアセロラを使った認証商品の開発にも注力されています。そのほかにも、『ふくらむもずく玉』が第5回に認証されたちゅらゆーな㈱さんも、カタリスト琉球の稲福さんが制度を推奨し支援したことで、協議会に入会され認証商品を取得されました。こうした、お互いがお互いをライバル視するだけでなく、場合によっては連携することで、制度が盛り上がり、認証企業がメリットを享受できる仕組みを作っていきたいと思っています。

 今後の体制として、各社のWOJ商品を販売するページでWOJを説明するための共有コンテンツを提供するなど、協議会としての支援も考えたいと思います。

(つづく)

(藤田 勇一)

(冒頭の写真:宮國氏(左手前)、稲福氏(左奥)、照屋氏(右奥)、宮城氏(右手前)

関連記事:沖縄ブランドの確立を目指す 【九州・沖縄】WELLNESS OKINAWA JAPAN座談会(後)

     沖縄ブランドの確立を目指す 【九州・沖縄】WELLNESS OKINAWA JAPAN座談会(前)

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