指定成分等含有食品、規定見直しへ 【食品衛生法】厚労省、販売総数量の報告など義務化の方針
食品衛生法の規定に基づきGMP(適正製造規範)基準に従った製造・品質管理等が義務付けられている指定成分等含有食品の規定が見直される。指定成分等含有食品の販売等を行う営業者に対し、当該製品の販売総数量の報告を義務化するなどの見直しを行う方針を厚生労働省食品監視安全課が固め、同省の厚生科学審議会食品衛生監視部会が容認した。
今月24日に開催された同部会で審議。健康食品等の製造・加工者に対しては、食品衛生法で規定されている営業の許可・届出時に、指定成分等含有食品の取扱いの有無のほか、取扱う指定成分等の種類の記載を必須とする方針も同課は示した。これについても同部会は異論を挟まなかった。現行の規定では、取扱い有無の記載は任意。その種類の記載に関しては求めていない。
指定成分等含有食品は、健康被害が疑われる情報の届出も義務付けられている。現状の規定では、健康被害情報の発生件数は把握できるものの、健康被害の発生割合の増減の探知までは困難。
そのため、特定製品の健康被害報告件数が急に増えたとしても、被害の発生割合が通常よりも増えているのか、単に販売キャンペーン等によって販売数量が増えたことによるものなのか、判然としない。販売総数量も把握できるようにすることで、これを可能とし、食品衛生法上の対応判断を確実に行えるようにしたい考えだ。
加えて、営業許可・届出時の、指定成分等含有食品の取扱いの有無などの記載を義務化することで、指定成分等含有食品の製造・加工施設をはじめ、各施設が取扱う指定成分等の種類といった情報を確実に把握できるようにする。これにより、同食品で健康被害が発生した場合、それと同じ指定成分等を含む他の製品に対して必要な調査などを迅速に行えるようにする狙いだ。

2018年の法改正で制度化 背景に健康被害問題
指定成分等含有食品の法的根拠は食品衛生法第8条に置かれている。「食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物であつて、厚生労働大臣及び内閣総理大臣が食品衛生基準審議会の意見を聴いて指定したもの」(指定成分等)を含有する健康食品等を指す。2017年に生じた、ハーブのプエラリア・ミリフィカを原材料として含む健康食品との関連が疑われる健康被害、さらに、その情報を行政機関が把握できていなかったことや製品品質のバラツキなどを背景に、18年の食品衛生法改正で制度化された。
現在指定されている指定成分等は、プエラリア・ミリフィカをはじめ、コレウス・フォルスコリー、ドオウレン、ブラックコホシュのハーブ4種類。食品監視安全課によると、これらを含有する指定成分等含有食品との関連が疑われる健康被害の年間報告件数は「減少傾向」にある。また、その大半が「摂取者が医療機関を受診していない軽微な症例」にとどまり、専門家委員会が流通防止等の措置などを行う必要があると判断した製品も無い。とはいえ、「毎月数件程度、継続的に健康被害は報告されている」という。
今回の見直しは、18年の食品衛生法改正の施行後5年後見直し規定に伴うもの。同改正で新規導入された、HACCPによる衛生管理の徹底などとともに、施行状況を踏まえて見直しが検討された。食品衛生監視部会のとりまとめなどを経て、同省は改正の手続きに入る。
【石川太郎】
関連資料:2026年6月24日厚生科学審議会食品衛生監視部会配付資料はこちら
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