サントリーHD、第一三共HCを買収へ OTC医薬品大手を傘下に迎えて「セルフケア事業」創出図る
サントリーホールディングス㈱(大阪市北区)が一般用医薬品(OTC医薬品)等の製造販売を行う第一三共ヘルスケア㈱(東京都中央区)を買収する。買収金額は2,465億円の見込み。今年6月から3段階に分けて同社の全株を取得して完全子会社化する。完了は2029年6月を予定している。15日に発表した。
第一三共ヘルスケアは、製薬大手の第一三共㈱(東京都中央区)の完全子会社。ドラッグストア等で購入できるOTC医薬品を幅広く取り扱っており、かぜ薬の『ルル』、解熱鎮痛薬の『ロキソニン』、胃腸薬の『ガスター10』などといったブランドを多く抱える。売上高は約760億円(2025年3月期)。市場調査会社・ユーロモニターインターナショナルの調べによると、国内OTC市場シェア第2位(2025年、小売販売額ベース)とみられる。
サントリーHDは15日の発表で、今回の買収によって、「予防から不調時の対処までセルフケア・セルフメディケーション領域に事業を展開できることになります」と説明。機能性表示食品をはじめとする健康食品を取り扱うサントリーウエルネス㈱のほか、特定保健用食品の飲料を販売するサントリービバレッジ&フード㈱とOTC医薬品を展開する第一三共ヘルスケアが連携することで、健康維持・増進から不調時の対処までの「総合セルフケア事業」に力を注いでいく考えだ。
第一三共ヘルスケアはOTC医薬品だけでなく、スキンケア製品やサプリメントも取り扱っている。2024年には、プロテインやアミノ酸などのスポーツ栄養ブランド『DNS』を譲受し、スポーツサプリメント事業を開始していた。販売チャネルはドラッグストア等の他、子会社の第一三共ヘルスケアダイレクト㈱(旧㈱アイム)を通じた通信販売も。海外展開も進めているとされる。サントリーHDは、健康食品や化粧品などのヘルスケア事業でもシナジーなどが見込めると判断したとみられる。
サントリーHDは発表で「両社の強みであるブランド力、商品開発力、マーケティング力を融合し、お客様に寄り添うユニークな総合セルフケア事業を創造することで、当社グループの新たな成長ドライバーになると考えています」とした。
6月1日にも初回の株式取得を実行する予定。次いで来年6月1日を目途に2回目を実行し、連結子会社化する。そして2029年6月1日に3回目を実行して完全子会社化する予定だ。第一三共ヘルスケアの全株式を譲渡することにした第一三共も15日に発表を行い、今後は中核事業の新薬事業の中でもオンコロジー事業(がん領域)に経営資源を集中させるとした。
【石川太郎】
(冒頭の写真:第一三共ヘルスケアの株式取得を伝えるサントリーHDの報道発表資料をキャプチャ)
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