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非医リストの植物由来物等が大改正 ほぼすべてに学名追記、基原植物の明確化を目的に

 いわゆる「食薬区分」の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」(非医)リストのうち、植物由来物等に関するリストが改正された。収載品目のほぼすべてに学名を追記。これまで曖昧なものもあった基原植物を明確にするのが目的だ。食薬区分に詳しい天然物薬学者は、「大改正だ。学名ベースのリストに改正された。これで(基原に)迷うことがなくなる」と解説する。自社で取り扱う植物抽出物等の基原植物の学名を確認し、改正リストと照らし合わせておく必要がある。

「名称」から消えた品目、「他名等」に残る

 改正は5月28日付。厚生労働省医薬局の監視指導・麻薬対策課が同日、改正通知を発出した。学名追加に関わる改正案は昨年5月16日に公示、パブリックコメント(意見募集)を実施していた。改正案の公示から改正まで1年余りを要した。同課によると、34件の意見が寄せられた。

 改正リストを見ると、左端列にはこれまでどおり「名称」(和名)があり、その次に「学名」(ラテン名)の列が新設。次いで「他名等」「部位等」「備考」と続く。並びは、和名(カタカナ名)の50音順。

 改正通知発出の翌5月29日、同課の「医薬品の成分本質に関するワーキンググループ」の構成員で、今回の学名追加を担当した伊藤美千穂・国立医薬品食品衛生研究所生薬部長が都内で講演。「1つの品名に対して1つの学名を原則としている」「本当は学名のアルファベット順に整頓したかった」「カタカナ名の読みはあくまでも一例」などと今回のリスト改正(記載の整備)について解説した。行政の都合で、カタカナ名で整理する必要があったという。

 学名追加後のリスト収載品目数は約850品目。旧リストから数が増えているが、「1つも消していないし、増やしていない」(伊藤氏)。

 学名を加えたことで、統合された品名がある一方、複数の品名に分割されたものもあり、結果的に収載品目数が増えた。また、旧リストでは名称の列に記載のあった品名がなくなっている場合もあるが、「他名等を必ず見てほしい」と伊藤氏。「従来のリストにあったカタカナ名は、(改正リストの)名称、あるいは他名等のどちらかの中に必ず出現する。多くは他名の中に存在する」と強調した。

 記者が実際にそうか調べてみた。例えば、アフリカマンゴノキ。旧リストでは名称の列に収載されていたが、改正リストにはない。そこで検索をかけると、他名等の列に見つけることができた。

 今回のリスト改正で、アフリカマンゴノキの食薬区分上の名称は、学名に基づきアーヴィンギア・ガボネンシスに改められ、学名としてIrvingia gabonensis (Aubry-Lecomte ex O’Rorke) Baill.が追記。そして他名等の列にアフリカマンゴノキがある。そのほかの他名はオボノ/アポン/ティカナッツ/ブッシュマンゴー/ワイルドマンゴーと旧リストから変わっていない。部位等については種子とされており、これも旧リストと同じだ。

 また、アロエも、改正リストでは名称の列から消えているが、学名を踏まえた名称で収載されている。具体的には、学名Aloe ferox Mill.のアオワニ、Aloe africana Mill.のアロエ・アフリカーナ、Aloe spicata L.f.(Syn. Aloe spicata baker)のアロエ・スピカータ、Aloe vera (L.) Burm.f.のバルバドスアロエの4つに分割されて収載。これまでは「アロエ」とだけされていたが、少なくとも4つの基原植物が存在することになる。ちなみに、キダチアロエに関しては、学名としてAloe arborescens Mill.が追記されたにとどまる。

一般名称は同じでも学名異なる場合は?

 一方、学名を追加し、基原を明確にする今回のリスト改正には懸念もある。改正案に対する意見募集では、一般名称は同じである一方で、学名が異なる植物由来物等の非医該当性が揺らぐ可能性を懸念する声が複数上がった。

 例えば、改正リストにおいてムラサキバレンギクの他名等に組み込まれたエキナケア(エキナセア)。その学名は、Echinacea purpurea (L.) Moenchとされている。ただ、改正案に対して寄せられた意見によると、Echinacea angustifolia DC.を学名とする種も「エキナセア」として日本で流通している。また、ローズヒップについても、改正リストでは学名としてRosa canina L.が追記されたが、それ以外の種も食用として販売されているという。

 こうした点の整理について、伊藤氏は講演で、非医リストは「あくまでも例示。(収載品目が)全部ではない」と強調した。

 また、監視指導・麻薬対策課も、パブコメに対する回答の中で、非医リストは「食経験のあるすべての成分本質(原材料)を記載するものではない」と説明。その上で、リストに収載されていない成分本質については、「46通知の別紙『医薬品の範囲に関する基準』に留意の上、事業者の判断によって製造(輸入)・販売等を直ちに妨げるものではない」とし、まずは事業者による判断を求めた。非医リストへの収載を希望する場合には、各自治体の薬務課を通じて、同課に食薬区分の判断を求めることもできる。

 伊藤氏の講演は、食品関連展示会『ifia/HFE JAPAN 2026』内で行われた。主催の㈱食品化学新聞社と(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)が「食薬区分の正しい理解」をテーマにしたシンポジウムを共催。立ち見も出る盛況だった。

【石川太郎】

(冒頭の写真:展示会内で開催されたシンポジウムの様子。2026年5月29日、東京ビッグサイト)

関連資料:2026年5月28日厚労省監麻課発出「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の一部改正について
    :上記改正案に対するパブリックコメント結果
    :2025年5月16日改正案公示時資料「見直しのポイント」
    :いわゆる「46通知」

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    :JIHFS、袴塚GMP審査委員長が講演 外から見ていた健康食品業界の印象と今後

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