ゲノム編集トマト巡り応酬 日消連とサナテック、安全性と表示で見解対立
(特非)日本消費者連盟(日消連、東京都新宿区)はこのほど、ゲノム編集トマト「シシリアンルージュハイギャバ」を販売するサナテックシード㈱(東京都港区、竹下心平社長)から受け取った質問書と、それに対する回答を公表した。同社は、日消連による小売事業者への質問状や販売中止要請について、商品選択の機会に影響を与える可能性があると指摘。日消連は、安全性確認の内容や表示方法などを改めて問い、公開の意見交換会への出席を求めた。
サナテック、安全性懸念の根拠求める
サナテックシードは6月24日付の書面で、「シシリアンルージュハイギャバ」について、厚生労働省、農林水産省、専門委員会などによる所定の確認手続きを経て、国への届出が受理されていると説明した。ゲノム編集技術を利用した食品である旨も自主的に表示し、消費者の知る権利と選ぶ権利に配慮していると主張した。
その上で、日消連が複数の小売事業者へ質問状などを送り、内容や回答を公表していることについて、商品の取り扱いや消費者の商品選択に影響を及ぼし得るとの見解を示した。
日消連に対しては、ゲノム編集食品の安全性に懸念があるとする科学的根拠として、査読付き論文や研究報告、関連データなどを具体的に示すよう要請。販売中止要請によって消費者が商品を選択する機会を失う可能性をどう考えるかについても回答を求めた。必要に応じ、民事・刑事上の法的措置を検討する場合があるとも付記した。
日消連「安全性証明は開発者の責任」
日消連は7月14日付で回答し、新たなバイオテクノロジーによって開発された食品では、遺伝子操作の過程で想定外の変異が生じ、有害物質などを生成する可能性があるとの見解を示した。
ゲノム編集食品の安全性は個別品種ごとに異なるとして、開発者が安全性を証明する責任を負うと主張。開発品種ごとの全ゲノム解析、遺伝子変異の評価、慢性毒性試験などが最低限必要との考えを示した。
消費者の商品選択については、安全が保証されることも消費者の重要な権利だと説明。流通・小売事業者に懸念を伝えた上で、取り扱いの判断を委ねているとした。
商品の表示については、GABAの機能性表示に比べ、ゲノム編集に関する表示が目立ちにくいと指摘。包装や店頭POPなどでゲノム編集食品であることをより分かりやすく表示するよう求めた。
安全性確認や表示義務化を質問
日消連は回答に加え、サナテックシードと現・サナテックライフサイエンスに5項目を質問した。
国や専門委員会で実施された安全性確認の具体的内容、全ゲノム解析や慢性毒性試験の実施状況と結果の公開、GABAの過剰摂取に対する認識、ゲノム編集食品の表示義務化・表示方法統一を消費者庁へ要請する考え、公開の意見交換会への出席の可否について回答を求めている。回答期限は8月5日とした。
日消連と「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は7月29日、大和アグロファーム㈱(奈良県吉野郡、竹島和宏代表)に対しても、「シシリアンルージュハイギャバ」の販売中止を求める要請・質問状を送付した。ゲノム編集技術への認識や取扱理由、売り場での表示、関連製品の販売状況、GABAの過剰摂取に関する認識、今後の取扱方針などを尋ね、8月19日までの回答を求めている。質問状と回答の有無については、同団体ホームページなどで公表するとしている。
【編集部】
発表資料はこちら(日消連HPより)

