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スーパーオメガ3事件(前) 【3回連載】健康食品広告・表示の「判例」解説

堤半蔵門法律事務所 弁護士 堤 世浩 氏

<医薬品に該当するかどうか>

栄養補助食品であるとうたって販売されていた『スーパーオメガ3』が、医薬品に該当すると判断された裁判例(高裁)を紹介する。

登場人物はX。Xは『スーパーオメガ3』という名称の健康食品の販売などを行っていた者である。

Xは、第一審で「薬局開設者または医薬品の販売業の許可を受けず、かつ法定の除外事由がないのに、業として単独またはA子と共謀の上、平成10年(1998年)6月9日頃から同年9月1日頃までの間、前後21回にわたり、顧客11名に対し、医薬品である『スーパーオメガ3』合計24箱を代金合計28万8,000円で陳列または貯蔵した」として、有罪判決を受けた(旧薬事法第24条1項)。

これに対し、Xが『スーパーオメガ3』は栄養補助食品であって「医薬品」ではないなどとして、控訴したのが本裁判である。

問題の所在は、『スーパーオメガ3』が「医薬品」(旧薬事法第2条1項2号)に該当するかどうか。

Xが控訴した理由を見ると、『スーパーオメガ3』の容器に「栄養補助食品」、「健康増進・美容にご利用ください」と印刷されていたことなどを挙げて、医薬品には該当しないと争ったようである。

<高裁、控訴棄却と判断>

高裁の判断は、控訴棄却だった。高裁は、次の各点を指摘した上で、これらに照らすと、『スーパーオメガ3』は「医薬品」に該当すると判断した。指摘されたポイントは、(1)成分、(2)形状、表示された使用目的・効能効果・用法用量など、(3)販売方法、販売時の演述・宣伝など。

まず(1)の成分から見ていく。『スーパーオメガ3』はレチノール、総トコフェノール、エイコサペンタエン酸(イコサペント酸、EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などを成分とする製品であるが、このうち、レチノールは酢酸レチノールおよびパルミチン酸レチノールとして、総トコフェロール(ビタミンE)はトコフェロールとして、いずれも日本薬局方に収められている成分であると指摘。さらに、エイコサペンタエン酸(イコサペント酸)はイコサペント酸エチル(EPAエチルエステル)として、医薬品の承認が得られていることを挙げた。(⇒つづきは会員専用ページへ)

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