化粧品競争力強化へ構造改革議論 海外展開軸に中間報告骨子取りまとめ、J-Beauty再構築へ
経済産業省「化粧品産業競争力強化検討会」は、第3回から第5回会合にかけて、海外展開を中心とした産業競争力強化策について議論を進め、中間報告書骨子を取りまとめた。
議論では、2033年までに輸出額と現地製販額を合わせた「2兆円目標」の共有、海外市場開拓を支援する新たな業界団体の必要性、韓国型エコシステムとの比較分析などが行われた。さらに、国内市場依存からの脱却と「意識改革」の必要性も強調され、広告規制見直しや分業型産業構造への転換など、構造改革の方向性が示された。
「2兆円目標」と海外展開KPI議論
第3回会合では、2033年までに輸出額と現地製販額(日本ブランドに限る)の合計を2兆円へ引き上げる目標について議論し、日本化粧品工業会が掲げる「2兆円目標」を業界全体で共有すべきとの認識を示した。KPI(重要業績評価指標)については、輸出額だけでなく、現地生産・現地販売を含めた合算値を指標とする方向性を共有した。
また検討会は、輸出先国・地域の拡大や、海外市場に挑戦する企業数の増加などをサブKPIとして設定する必要性についても議論した。第3回では、ターゲット市場や海外規制対応も議題とし、海外展開に関するアンケート結果なども共有した。
海外進出支援と韓国モデル分析
第4回会合では、海外マーケティングや輸出促進団体の在り方を主要テーマとした。JETROによる海外展開支援、海外展示会支援、人材育成、模倣品対策など既存施策の説明を受けた他、知財支援や投資促進税制についても共有した。
議論では、検討会が日本の既存業界団体について、「規制対応中心で、海外進出を促進するための実務機能やスピード感が不足している」との問題意識を共有した。一方、海外の業界団体がコンサルティング機能やデータ分析機能を持つ点を踏まえ、海外進出に意欲的な企業を中心とした新たな業界団体の必要性を示した。
さらに検討会は、韓国の化粧品産業政策についても議論した。K-Beautyが国家ブランド戦略として位置付けられていることや、中小企業支援、規制と産業振興の一体設計、多層的エコシステム型産業構造などについて共有した。
海外マーケティングについては、検討会が現地ブランドマネージャーの活用、現地KOLと在日KOLの使い分け、ポップアップストアによる体験機会の提供、訪日客のUGC活用などを重要施策として整理した。
中間報告骨子が示した“意識改革”
第5回会合では、中間報告書の骨子案について議論した。骨子では、国内市場が長期的に縮小傾向にある一方、世界市場は成長を続けていると指摘した上で、近年の輸出減少を踏まえ、「海外市場拡大に向けた課題整理と具体的行動の後押し」を検討会の目的と位置付けた。
中間報告書骨子では、検討会が問題の本質として「一定規模の国内市場に安住し、外に目を向けて来なかった意識」を挙げ、「意識改革こそが最も重要」と明記した。
また検討会は、化粧品の広告規制について、「競合他国と比較して厳しい内容となっており、新規効能の開発意欲を阻害し、海外競争力低下の一因となっている」との認識を示した。制度見直しに向けては、業界が「ワンボイス」で規制当局と協議すべきとの方向性も示した。
産業構造に関しては、検討会が日本の垂直統合型モデルに対し、韓国やフランスでは分業型構造が競争力を高めていると分析した。我が国でも、ファブレスベンチャーや海外マーケティング支援企業などを含めたエコシステム形成を進める必要性を示した。
中間報告書骨子では、今後の検討課題として、サステナビリティ対応や国内市場での競争力向上策なども挙げた。
【田代 宏】
発表資料はこちら(経産省HPより)

