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せいちょう事件(1) 【4回連載】健康食品広告・表示の「判例」解説

堤半蔵門法律事務所 弁護士 堤 世浩 氏

<『霊樹泉せいちょう』という名称の清涼飲料水>

今回は、飲料水が医薬品に該当すると判断された裁判例(高裁)を紹介する。登場人物はY社とXである。Y社は、『霊樹泉せいちょう』という名称の清涼飲料水を製造・販売する会社。Xは、Y社の販売担当者(営業部長のようである)。

最初に、事案の概要を確認しておく。XはY社の代表者らと共謀して、1977年4月中旬頃から翌78年1月中旬頃までの間、前後109回にわたり、東京都内などの30カ所で20人に対し、『霊樹泉せいちょう』(以下『せいちょう』)という名称の清涼飲料水5,545本(100ml入り)を合計1,114万円で販売した。

第1審は、『せいちょう』は「医薬品」(旧薬事法第2条1項2号)に当たることを前提に、Xは『せいちょう』が医薬品製造業の許可を受けないで製造されたことを知りながら販売したとして、有罪判決(罰金15万円)を言い渡した(旧薬事法第12条1項ほか)。これに対し、Xが『せいちょう』は「医薬品」に該当しないとして控訴したのが本裁判である。

問題のポイントは、『せいちょう』が「医薬品」(旧薬事法第2条1項2号)に該当するかどうか。まず、Xの控訴理由の要旨を見る。

『せいちょう』は成分において栄養飲料であり、用法においては薬でないことを明示し、販売の際にも栄養飲料と明示している。その使用の効果たる体験談を掲記した会報は、『せいちょう』の使用者がその効果を自由に発表したものに過ぎず、これをもって直ちに通常人が『せいちょう』を医薬品と認識することはできない――というものだった。

<医薬品に該当するかどうか>

医薬品に当たるかどうかの判断基準について、高裁は従前の裁判例の考え方を踏襲し、次のように示した(〔 〕内・筆者)。

〔医薬品に当たるかどうか、すなわち、〕「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」かどうかは、(中略)専らその外観・形状・説明などによって判断するほかはないから、もし、右のような使用目的の物が何らの規制もなく、ほしいままに製造・販売などがなされるときは、一般人がこれを不当かつ安易に使用することによって、国民の多数の者に正しい医療を受ける機会を失わせ、その疾病を悪化させるなどして、その生命・身体に危害を生じさせる恐れがある。

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