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ザ・インタビュー 令和の新世界を拓くカンパニー~豊富なエビデンスを基盤に伸長(前)

ニチモウバイオティックス(株) 代表取締役社長 天海智博 氏

 1999年1月、ニチモウ(株)のバイオティックス部門がグループ企業として独立・分社化して誕生したのがニチモウバイオティックス(株)。それから20年、同社は節目となる年を迎えた。体内への吸収性が高いアグリコン型イソフラボンに関する研究から、イソフラボンを主成分とする健康食品を開発・製造・販売するほか、医療施設や漢方相談薬局向けの商品も手がける。創立20周年を期に、これまでの商品群を統一する新ブランド戦略にも乗り出す。天海智博社長に、主力商品や親会社とのシナジー戦略などについて話を聞いた。

<いち早くイソフラボンの機能性成分に着目>

 ――まず、会社設立から今日までを振り返ると?

 天海 当社はニチモウ(株)の100%子会社として、99年1月に発酵大豆胚芽の製造会社として設立された。親会社のニチモウは、大規模な漁網や漁具の製造・販売で世界のトップメーカーである。海産食品事業のほか、過去には石油元売事業でも世界的な企業だった時代もある。その時代に合わせてさまざまな事業を行い、今年で創立100周年を迎える。現在は「豊かで健康な生活づくり」に貢献する企業を目指している。

 当社はもともと親会社の事業部からスタートした。80年代に入り、排他的経済水域が規定され、日本の遠洋漁業は大きな打撃を受け、漁網や漁具などの市場がシュリンクするなか、魚の養殖事業を開始した。魚の飼料として大豆たんぱくに目を付けたが、魚の腸はとても短いので、うまく消化吸収できるように研究することになった。大豆たんぱくを分解するため麹菌を取り入れ、大豆イソフラボンを配糖体からアグリコン型にする技術を確立し、製造特許を取得した。それがバイオティックス事業部の始まりである。

 開発の発端は魚の飼料研究だったが、そこから人の健康に寄与する健康食品として開発・発展してきた。なお、ニチモウバイオティックスは2007年に、営業部門も本社から移管し、生産から販売まで一貫して健康食品事業を行う会社となった。

 ――貴社の健康食品では、大豆イソフラボンを主成分とした商品がよく知られている。

 天海 麹菌発酵の力によって吸収しやすいアグリコン型大豆イソフラボンの製造特許を日本で取得したのが99年のこと。その頃、ある製薬会社から「販売は任せてほしい」との提案をいただいた。しかし当時は、アグリコン型の大豆イソフラボンの機能性が一般的に知られていない時代であり、自社オリジナルのサプリメント商品として販売するには、もう少し時間が必要ということで、大豆研究の第一人者である京都大学(当時、現・武庫川女子大学)の家森幸男先生と共同研究を始めたという経緯がある。実際の商品化には、それからもう少し時間が必要だったが…。

 イソフラボンは総称で、グリコシド型とアグリコン型に大別され、胚芽にダイゼインが多く含まれる。当社の健康食品原料素材「AglyMax(アグリマックス)」は胚芽のみを原料に麹菌発酵・抽出している。「ダイゼインリッチ」と表示しているのはそのためだ。

 健康食品の分野では後発ながら、当社の業績が伸びてきているのは、原材料ハイクオリティ認証を取得している点なども含めて、健康食品業界から「エビデンス」だけでなく、「高品質」「安全性」が高水準で認められている証拠だと考えている。

<「アグリマックス」がベースの素材>

 ――現在の主力商品群と、その特徴について。

 天海 麹菌発酵大豆胚芽から抽出したアグリコン型イソフラボン素材を商品化したのが「アグリマックス(AglyMax)」で、これが主力商品のベースとなる素材だ。99年から健康食品メーカーへ供給を開始している。

 次に、自社ブランド商品としては01年、中高年女性に向けて発売した『イソラコン(Isolacom)』がある。これは現在までロングセラーとなっている。その後、還元型コエンザイムQ10などを配合した女性向けの『イソラコンプレミアム』なども加えたシリーズ商品へとつなげていった。

 中高年女性に必要な栄養素を補うという訴求を打ち出し、これらの商品群を発売してきた。最近では14年に『イソラコン葉酸400マイクログラムプラス』を発売。これは、20~30代女性のニーズに対応した商品である。

 一方、男性向け商品として、04年に中高年男性を対象とする『ライフマックス』を発売。「AglyMax」に加え、ノコギリヤシとカボチャの種子の成分を含有させている。

 薬局向けサプリメントとしては03年に『ファイトロゲン』、翌04年に医療機関向けに『ドクター・アグリマックス(Dr.AglyMax)』を発売した。こちらは、クリニック・医師からも高く評価され、現在でも多くのクリニックで販売されている。そのほか、大豆を麹菌で発酵させた独自原料の“麹菌発酵大豆培養物”「イムバランス」を開発し、こちらも10年に一般健康食品として『イムバランス+ギャバ』、また医療機関向けに『ドクター・イムバランス(Dr. ImmuBalance)』を発売した。

 「イムバランス」は、当社のもう一つの柱となる機能性素材である。米国マウントサイナイ大学医学部のサンプソン教授との共同研究により、いくつかの機能性が認められている。このように今では、小さなお子さんから、若い女性、中高年男性・女性向けと、ユーザーに合わせて当社の商品群も広がってきたと言える。

(つづく)

【聞き手・文:堂上 昌幸】

/(後)

<プロフィール>

 1984年上海第二医科大学卒業。92年に研究のために来日し、順天堂大学医学部で輸血学を学ぶ。末梢血幹細胞の保存と移植を研究し、医学博士号を取得。99年ニチモウ(株)に入社。新規事業部門として新設された「バイオティックス事業部」で、発酵大豆の研究と商品開発に取り組む。2013年にニチモウバイオティックス(株)の代表取締役社長に就任。現在に至る。

<企業概要>

所在地:東京都港区浜松町1-6-15VORT1(1はローマ数字) ※今年7月1日から

(旧所在地:東京都品川区東品川2-2-20から移転)

TEL:03-6478-5051(代表)

E-mail:nbkinfo@nichimo.co.jp

事業内容:健康食品素材と健康食品・化粧品の製造、販売

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