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次世代の腸活への転換が求められる 研究者インタビュー:國澤氏、腸内細菌・免疫・代謝・食事を包括した理解が重要

 検査技術の飛躍的な進展により、腸内細菌叢の機能がかつてない速度で明らかになっている今、腸活のあり方を見直す「パラダイムシフト」の渦中にいる。腸内細菌研究の第一人者である(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所副所長の國澤純氏(=写真)に、腸活市場の現状と課題、そして科学的知見が社会実装されたその先の未来について伺った。

「宿主・細菌・食事」を一体で捉えるステージへ

――腸内細菌叢研究が急速に進展する現在、改めて「腸活」を科学的観点からどのように定義されていますか。
國澤 科学的に見ると、これまでの腸活は、「乳酸菌や発酵食品を摂ろう」「食物繊維を摂ろう」など「〇〇を食べたらいい」という考えが主流でした。もちろん、食事は一番大事な介入方法ではあるのですが、今は腸内細菌、免疫、代謝、神経といった「宿主(人)」と「腸内細菌」、そして「食事」を含めた「腸活」―つまり腸内環境全体を考えて、食べ物だけでなく、その受け皿となる宿主と間に介在する腸内細菌、この3つを考えなければいけないというステージに、研究は向かっていると感じています。

――背景には、検査技術の飛躍的な進展が大きいのでしょうか。
國澤 その通りです。今まで見えなかった腸内細菌が見えるようになり、さらに、その機能までが分かるようになってきたという点が、非常に大きな転換点になっていると思います。

科学的知見を市場健全化の力に

――現在、市場にはエビデンスに非常にこだわったものと、そうでないものが混在する「市場の二極化」が見られます。研究者の立場から、この現状をどうご覧になっていますか。
國澤 皆さんそれぞれ温度差があるかもしれませんが、エビデンスに基づきたいという意識は高まっていると思います。コンプライアンスへの意識も高まり、市場の健全化という面でかなり意識してくださっていると感じています。
 ただ、腸内細菌は新しい分野ゆえに、最初に「この菌がいい菌です」という論文が出ると、みんなそのイメージに引っ張られて「いい菌です、いい菌です」となりがちです。しかし、その後の研究で「実は、こういう状況だと悪いことが起こるかもしれない」と報告された時に、最初の印象に引きずられてしまう部分があります。「当初の研究とは別の結果が出る可能性」を認識し、最新の知見を常にキャッチアップしていく意識が必要です。

――研究者の先生方はフラットに成果を発表されますが、企業側からはネガティブな情報を出しにくいという側面もありますよね。
國澤 おっしゃる通りです。「いい」という論文が出ているのは、「その研究条件では効果が示されている」ということです。一方で、その後の研究で「こういう条件になると、その機能は十分に発揮されない」という知見が報告されたのであれば、「こういう条件では効果が期待できます。ただし、こういう条件になると十分に機能しない可能性があります」といった、いわば但し書きのような形で情報提供できるようになると、皆さんも科学的根拠に基づいた情報を参考に、自分にあった正しい腸活ができるようになると思います。(『Wellness Monthly Report』2026年7月号より転載。)

【プロフィール】
國澤 純(くにさわ じゅん)
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所 副所長。 腸内環境学、免疫学の世界的権威として、腸内細菌と食事、免疫応答の相関を研究。腸内細菌叢の機能を解明し、健康増進や疾患予防に繋げるための科学的アプローチを多角的に提唱している。

【聞き手・文:藤田 勇一】

(続きをお読みいただけるのはWNG会員のみです。残り約2,837文字。会員申込はこちら。全文の閲覧は「会員ページ」の「月刊誌閲覧」内「Wellness Monthly Report」2026年7月号(第97号)特集「拡大続く腸活市場~見えてきた課題と今後の展望」から)

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