安田商事、公開聴聞で違反認める 陳述書で再発防止策示し寛大な処分求める
農林水産省北陸農政局は21日、農産物検査法第24条第2項の規定に基づく、登録検査機関・安田商事㈱(石川県金沢市、樋田光生社長)に対する登録取消命令に関する公開聴聞を北陸農政局金沢広坂合同庁舎(金沢市広坂2丁目)で開催した。
登録取消命令が適切と判断(北陸農政局)
同社は出頭せず、代表取締役名による陳述書を提出。指摘された違反事実を認めた上で、再発防止に向けた取り組みを進めているとして「格別の配慮」を求めた。一方、北陸農政局は、組織としての指導体制やコンプライアンス体制に問題があり、「悪質性が低いとは言えない」として、登録取消命令が適切と説明した。
聴聞は農産物検査法および行政手続法に基づき公開で実施。不利益処分の内容や根拠法令、違反事実について行政庁側が説明した後、安田商事が提出した陳述書を北陸農政局職員が読み上げ、15分程度で終了した。

左の列より「事務局」、「行政庁」、「主宰者」(正面)、「当事者」席。手前は報道関係者席
行政側は、2025年7月24日~26年2月2日にかけて実施した立入調査で、検査請求受付簿や検査計画の未作成、標準抽出法によらないサンプリング、検査証明書の日付誤記、検査書類の不法廃棄、不適正な内部監査など9項目の業務規程違反を確認したと説明。また、売買取引業者からの検査請求による銘柄検査、農産物検査台帳に記載のない検査証明書の交付、誤った検査結果報告、農産物規格規程によらない検査など5項目の法令違反も認定した。
その上で、「杜撰な農産物検査体制による数多くの違反が見受けられ、組織としての指導体制やコンプライアンス体制に問題があった」と指摘し、「農産物検査法違反に係る行政処分および公表の指針に照らし、違反内容を精査した結果、悪質性が低いとは言えないことなどから、登録検査機関の登録取消命令を行うことが適切と判断した」と述べた。
安田商事は陳述書で、7月3日付で指摘された事項について「事実関係に相違はなく、その内容を真摯に受け止めている」と表明。本件は当時の1人の担当者による業務遂行に起因する部分が大きいとしながらも、「事前に把握・是正できなかった管理体制上の課題があった」と認めた。
また、担当者はすでに退職しているものの、組織として防止できなかった問題と受け止め、内部監査体制を見直した結果、外部専門機関への監査業務委託に向けた準備を進めていると説明。再発防止への取り組みを踏まえ、「本件処分にあたり格別の配慮を賜りたい」と求めた。
処分時期未定、流通に関する情報は処分決定後に案内
聴聞後、ウェルネスデイリーニュースの取材に応じた北陸農政局米穀流通食品表示監視課は、7月3日の公表資料で示した6項目の違反について「特に優先順位は付けていない」と説明した。また、不適正な検査を受けた米はすでに流通しているとし、消費者への影響などについては「行政処分の結果を公表する際に、流通に関する情報も併せて案内する予定」と述べた。
行政処分の時期については、「前回の類似事例が10年以上前で、違反内容も精査する必要があるため、現時点では目安を示すことは難しい」とした。
また、登録取消命令については、「国として登録取消しが相当と判断して聴聞を開催したが、最終的な処分内容は今後検討する」と説明。不利益処分には登録取消しと業務停止の2種類があり、登録取消しが最も重い処分に当たるとした。
北陸農政局担当者との一問一答は以下のとおり(つづきは会員専用記事閲覧ページへ)
【田代 宏】
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(冒頭の写真:北陸農政局金沢広坂合同庁舎)

