原材料「製品」認証制度を検討 JHNFA矢島理事長がトップセミナーで明かす
(公財)日本健康・栄養食品協会(矢島鉄也理事長。以下、JHNFA)は3日午後、会員企業をはじめとする健康食品業界関係企業を対象にした「トップセミナー」を都内で開催、約100人が参加した。消費者庁の新井ゆたか長官とアナウンサーの生島ヒロシ氏が講演。協会長を務める山東昭子・参院議員も登壇し、冒頭挨拶や会員企業表彰などを行った。セミナー終了後の意見交換会には、消費者庁と厚生労働省の室長、課長、審議官、局長ら幹部が顔をそろえた。
9月1日、改正された機能性表示食品制度と特定保健用食品制度が一部施行。その約1カ月後に開催されたこの日の業界セミナーでは、元厚生労働省健康局長の矢島理事長も講演を行い、「協会の新たなる取り組み」の概略を説明した。新たな「認証制度」の立ち上げを検討するという。
矢島理事長によると、立ち上げを検討する新たな認証制度は2つ。いずれも原材料に関わるもので、個別の原材料「製品」そのものに対する認証制度の他、「関与成分」(健康の維持・増進機能が期待される成分)に対する認証制度を検討するという。また、協会として以前から手がけている認証制度、原材料に関する安全性自主点検認証の取得推進にも取り組むとした。立ち上げを検討する各制度の具体的な中身は語らなかった。
矢島理事長は、機能性表示食品制度改正の方向性を取りまとめる消費者庁の有識者検討会でヒアリングを受け、最終製品だけではなく原材料についてもGMPによる管理を推奨すべきこと、原材料の安全性評価に何らかのルール化が必要であること──などを主張していた。
JHNFAと同様にサプリメントGMP第三者認証を行う(一社)日本健康栄養食品協会(JIHFS)は、サプリメント原材料の安全性をはじめ製造・品質管理の確保を推進するための新たな認証として、先ごろ「輸入原材料GMP認証」をスタートさせている。今後、JHNFAも製造された原材料に対するGMP認証を始めれば、最終製品のみならず原材料の品質にも目を向けていく機運がますます高まっていきそうだ。
【石川太郎】
(冒頭の写真:トップセミナーの様子。壇上は、協会の新たな取り組みを解説するJHNFA理事長)
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