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18品に健康被害報告、因果関係不明 機能性表示食品、安全性「緊急点検」結果速報値

 小林製薬㈱(大阪市中央区)が販売していた機能性表示食品との関連が疑われる腎機能障害の健康被害発生を受け、消費者庁が緊急で実施した、届け出されている全ての機能性表示食品を対象とする安全性に関する点検結果の速報値が12日夕までにまとまった。

11社18製品、延べ117件で報告

 消費者庁の発表によれば、点検の結果、2015年4月の機能性表示食品制度施行以来、これまでに医師や薬剤師などの医療従事者から11社18製品、延べ117件の健康被害報告が届出者(事業者)に寄せられていたことが分かった(12日午前0時時点)。大半が軽症であったものの、入院の事例も複数あった。しかし、いずれも製品と健康被害の因果関係は分かっておらず、今後の調べで因果関係が否定される可能性もある。製品名や事業者名などは公表しない。

 同庁食品表示課は、「特定の製品に特定の症状が集積してみられる状況ではない」と説明。そのため、「現段階ではただちに何らかの対応が必要とは考えていない」という。小林製薬の機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』との関連が疑われる健康被害問題では、短期間のうちに特定の症状(腎障害)が医師から報告されるかたちで積み上がっていた。

消費者庁に報告不要と判断

 医療従事者から健康被害の報告を受けていた事業者は、いずれも消費者庁への報告は不要と判断していた。今後、報告不要と判断するに至るプロセスや評価が、機能性表示食品の届出ガイドラインに則していたかどうかが問われることになる。同課は今後の対応について、「情報が不足する報告について、追加の聞き取りを行うなど慎重に対応を進めるとともに、医学などの専門家の分析、検証を経て、最終的な報告を行いたい」としている。

 消費者庁が緊急で実施した「届出後の機能性表示食品の健康被害情報の収集・評価報告の実施状況の確認」は、小林製薬が健康被害を明らかにした先月22日時点で届け出されている6,795製品1,693事業者を対象に行ったもの。医療従事者からの健康被害情報提供の有無のほか、情報提供があった場合、同庁へ報告しなかった理由を尋ね、12日までに回答するよう求めていた。

 同庁は12日夕、同日午前0時現在の回答状況を公表。全体の8割超に当たる5,551製品1,395事業者からの回答結果を速報値としてまとめ、明らかにした。5,551製品のうち販売実績のあるものは3,914製品。このうち18製品(約0.5%)について、因果関係不明の健康被害が延べ117件、医療従事者から報告されていたことになる。18製品の形状は、「製品名から察するにサプリメントがやや多いという感触。サプリ以外の加工食品もある。生鮮食品はなかった」(食品表示課)という。同日中に届く回答が反映されていないため、今後、件数が増える可能性もある。

被害情報の評価、「ガイドラインに則していたか」

 入院が必要になる事例を複数含む健康被害が100件以上、医療従事者から報告されていたことで、機能性表示食品の安全性を疑問視する声がさらに高まりそうだ。ただ、厚生労働省出身で医師の資格を持つ食品表示課の担当官は、「(健康被害が報告されたことと)因果関係があるかどうかということは、全く切り離して考える必要がある」と強調。現段階では製品と健康被害の因果関係は不明であり、まずは因果関係を検証する必要があるとした。

 また、別の同課担当官は、医療従事者から寄せられた健康被害情報を事業者が「正しく評価できていたかどうかが非常に重要だ」と指摘。機能性表示食品の届出ガイドラインに示す「届出後における健康被害情報の収集・評価・報告」が順守されていたかどうかに注目する。

 届出ガイドラインでは、医師など医療従事者から提供された健康被害情報を評価し、「届出食品による健康被害の発生及び拡大の恐れがある」場合、同庁へ速やかに報告するよう事業者に求めている。事業者は、情報収集の上で症状、重篤度、因果関係などを自ら評価し、健康被害発生などの恐れがあると評価した場合、同庁へ速やかに報告する必要がある。

 逆に、その恐れがないと評価できた場合は、報告しなくても構わない。同課では、「報告しなかったから悪いということはない。ただ、評価の結果やプロセスが妥当であったかどうか、しっかりと見させてもらう」としている。医学などの専門家と連携して今後行う検証の結果、食品表示法違反が確認された場合、同法の規定どおり指示・公表を行う。また、必要に応じて届出ガイドラインの見直しを検討するという。

【石川太郎】

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