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肌バリアを高めるエキスを開発 コーセー、「キンコウボク花エキス」を中国の植物園と共同研究

 ㈱コーセー(東京都中央区、小林一俊社長)はこのほど、植物研究機関「中国科学院華南植物園(華南国家植物園)」との共同研究で、肌のバリア機能を高める「キンコウボク花エキス」を開発したと発表した。また、キンコウボクの花の香りには、ポジティブな気持ちを高める効果があることを見出した。同研究成果の一部は、2022 年 3 月に開催された第 142 回日本薬学会(名古屋)、同年11月に開催された第66回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(沖縄)で発表している。

 同植物園で新鮮な花を安定的に収穫し、含有成分やその作用に対する研究、化粧品原料としての開発を進めた。同研究を進める中で、開発した「キンコウボク花エキス」には肌バリア機能として重要な細胞間構造であるタイトジャンクションバリアの形成促進効果があることを発見した。

 タイトジャンクションは、肌内部の細胞と細胞の間を隙間なく塞ぐ肌のバリア構造。肌内部からの水分蒸散を防ぐことで乾燥から肌を守り、花粉や細菌などの外部環境からの肌への異物侵入を防ぐ役割がある。加齢や日常的に受ける紫外線、ストレスに影響を受けることも知られている。

 今回開発した「キンコウボク花エキス」をヒト表皮モデルに添加したところ、肌バリア能の指標である電気抵抗値が上昇し、さらにタイトジャンクションを可視化した蛍光観察像では、エキスを添加していない対象ではタイトジャンクションの形成が不十分な部分が散見されたが、エキスを添加した対象では、全体的に形成促進されている様子が観察された。

 また、香りの化学分析やその心理的影響を評価したところ、その花の香りにはポジティブな気持ちを高める効果があることを見出し、キンコウボクは肌と心の両面で有用であることが分かったという。

 同社では、「キンコウボク花エキス」が真皮の細胞に働きかけて幸せホルモンの1つ「オキシトシン」の受容体の発現を高めることも見出している。同研究の知見を、今後のスキンケアや香料商品の開発に応用していくとしている。

(冒頭の写真:キンコウボクの花/同社リリースより)

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