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沖縄産ハーブに強い本土のOEMメーカー 【九州・沖縄】日本ランチェスター工業、長命草等で実績

 拠点は兵庫・神戸市。一方で沖縄にめっぽう強い。そのように評判される健康食品受託製造企業が日本ランチェスター工業㈱(神戸市北区、新垣健社長)。2000年代に入り、沖縄・与那国島の栽培農家らと連携し、長命草(ボタンボウフウ)の栽培、加工、そして青汁など最終商品の受託製造を推進したことを一つのきっかけに、そうした評判を得るようになった。沖縄産ハーブの普及に注力する本土企業を紹介する。

 創業は1980年2月。沖縄出身の現社長が創立し、時間を掛けながら健康食品業界での地歩を固めていった。2016年、キリンビールなど大手企業も工場を置く「神戸リサーチパーク」に本社工場を新設。業容の拡大と将来への展望を踏まえ、大型な設備投資に踏み切り、健康食品の総合受託メーカーとして新たな歩みを始めた。

 国内外に顧客を抱え、多種多様な健康食品の受託製造を手掛ける。その中で他社にあまりない同社の強みは、沖縄産ハーブを活用した健康食品の受託開発および製造だ。時には資金援助も行いながら栽培農家らとの信頼関係を構築し、青汁など健康食品の原材料として商業利用できる環境を整えられるよう努めた。

現地栽培農家らと連携 信頼関係築き市場開拓

 そんな取り組みが商業的に最も大きく結実したのが、沖縄県与那国島産の長命草をめぐる活動だ。その名を全国区に引き上げる役割を果たしたサプリメント・健康食品の販売を手掛ける大手企業の黒子として活動。島の農家らと連携し、原料の調達、原材料への加工、最終商品の製造に尽力するとともに、琉球大学熱帯生物圏研究センターの屋宏典教授らの研究チームに委託する形で長命草に微量含まれる活性成分の機能性研究を実施、抗肥満機能について論文発表するなどもした。「過疎化が進む与那国の産業活性に貢献したかった」と同社の新垣健社長は話す。

 長命草をめぐる取り組みで培ったノウハウを他の沖縄産ハーブにも応用した。健康食品の原材料として商業利用し、また、需要を開拓していくための体制づくりを現地農家や琉球大の屋教授らとともに推進。複数の沖縄ハーブについて最終製品の受託製造から原材料販売まで手掛けるようになった。「沖縄素材を使った健康食品の受託製造に強い日本ランチェスター工業」の認知が広がった背景には、長命草を20年近くにわたる同社のそうした取り組みがある。

次の大型素材、創出めざす 奄美群島産シマアザミに着目

 「(与那国島の)長命草はまだまだ市場を広げる余地がある。他の素材も同様だろう。栽培農家をはじめとする様々な関係先と協力しながら更なる普及に努めたい」。新垣社長は熱を込めてそう語る。加えて、与那国長命草に次ぐ大型素材を創出することで、引き続き地域経済の活性化に貢献したい考えも示す。その最有力候補になると新垣社長が目しているのは沖縄にも近い徳之島など奄美群島産の機能性ハーブだ。

 「向春草」とも呼ばれるシマアザミ(アマミシマアザミ)。クロロゲン酸等のポリフェノール類をはじめ食物繊維などの機能性成分や栄養成分を多く含むキク科植物で、奄美群島の一部では伝統的に食材として利用してきたとされる。

 基礎研究で非アルコール性脂肪肝の改善機能などが示唆されているこのハーブに注目した同社は約4年前、徳之島でシマアザミの栽培、一次加工を手掛ける現地企業と連携し、健康食品用原材料として市場開拓を開始。現在、協力関係にある中国企業の日本法人ハントキージャパン(東京都千代田区)を前面に立てる形で、アマミシマアザミ市場の創出に向けた取り組みを進めている。

 「時間は掛かるだろうが、焦らず、着実に、市場開拓を進めていきたい」(新垣社長)。

(冒頭の画像:与那国島の長命草。日本ランチェスター工業提供)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:兵庫県神戸市北区赤松台1-5-2(本社工場)
TEL:078-986-5950
E-mail:japan@lanchester.co.jp
事業内容:健康食品の製造・受託加工、新規素材の開発・栽培

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