巡る検討会の議事録、第3回まで公開 新規食品の安全性確保ルール求める意見も
機能性表示食品制度の見直しに向けた議論を進めている「機能性表示食品を巡る検討会」(中川丈久座長=神戸大学大学院法学研究科教授)について、消費者庁が議事録を早いペースで公開している。15日までに、第3回までが出揃った。第3回の議事録では、食経験のない「新規食品」の安全性確保の必要性を指摘する有識者の意見を知ることが出来る。
「今、日本ではいわゆる新規食品、食経験のない物に関しては、食品衛生法では何らかの措置をすることができるという法的根拠はあるのですけれども、具体的にどういうふうにして安全性を確保するのかについては、遺伝子組換え食品あるいはゲノム編集食品以外には何もないのですね。
したがって、実際に食経験のない物の安全性確保をどういうふうに考えるかということについては、事業者任せにするのではなくて、きちんとしたガイドラインなどを掲げることが必要かと思います」
こう発言したのは、3回目の会合で意見聴取を受けた畝山智香子・国立医薬品食品衛生研究所客員研究員。食品衛生法第7条、新開発食品等の販売禁止規定を示し、食経験のない新規食品は安全性の確認を求めることが可能だと指摘。ただ、「具体的に何をどうするのかはGM(遺伝子組み換え)以外に前例・省令等がない」ため「海外に比べて食経験の定義や食経験がない場合の安全性の立証が曖昧」だとし、ガイドライン等で基準を提示すべきだと意見した。
畝山氏は、「国際的には、新規食品に関しての安全性のレベルは、一般食品ではなくて、食品添加物や残留農薬のような管理されている食品レベルを目指して管理されているのが現状ですので、その辺も考慮していただきたいと思います」とも述べた。
検討会は先月19日に初会合を開催。今月10日に4回目の会合を開いた。次回、第5回は、21日午後3時から行われる。全6回の予定。
関連資料:「巡る検討会」第2回の議事録(消費者庁ホームページへ)
:「巡る検討会」第3回の議事録(同上)
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