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大豆素材、認知機能低下抑える可能性 動物試験、論文が海外ジャーナルに

 健康食品用原材料として製造販売されている麹菌発酵大豆培養物の機能性について、認知機能の低下を一定程度抑える可能性のあることが動物試験で示唆され、研究結果をまとめた論文が今月9日、海外の科学雑誌『Frontiers in Nutrition』のオンライン版に掲載された。

 その麹菌発酵大豆培養物を製造販売するニチモウバイオティクス㈱(東京都港区、天海智博社長)が10日発表した。論文は、米ハーバード大学医学部医療センター(BIDMC)と共同実施した研究結果をまとめたもので、神経の炎症を抑えたり、腸内微生物叢を変調させたりする機能を通じて、認知機能の低下を抑える可能性があると報告している。

 この研究では、アデニン誘発型認知機能障害モデルマウスを使い、同社が健康食品やサプリメント向けに製造販売しているイムバランスエキス末(麹菌発酵大豆培養物、ImmBalance EX)の認知機能の低下に及ぼす働きをBIDMCで検証した。

 同モデルマウスの抗神経炎症に関連するバイオマーカーや腸内細菌叢(腸内フローラ)の変化などを指標にして調べた結果、神経などの炎症を抑え、エネルギー代謝を向上させ、神経発生を増やし、腸内フローラを変調させることで、認知機能の低下を一定程度抑える可能性のあることが示唆されたという。

 この共同研究を実施した背景には、イムバランスエキス末の機能性について以前から、幹細胞を増強させたり、腸内フローラを変化させたりする働きを持つ可能性が示唆されていたことがあるという。認知機能が低下する要因としては、神経障害をはじめ生活習慣関連疾患との関わりが指摘されていることも踏まえ、今回、新たに研究を行った。

 『Frontiers』誌に掲載された論文のタイトルは、「Bioactive nutraceuticals oligo-lactic acid and fermented soy extract alleviate cognitive decline in mice in part via anti-neuroinflammation and modulation of gut microbiota」。ヒトの認知機能に対しても有効性が示されるのかどうか。今後の研究を待つ必要がある。

【石川太郎】

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