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九州から近い健康食品の最新生産拠点 【九州・沖縄】三協の川本工場、広がる受託生産品目

 福岡県福岡市から直線距離にしておよそ250キロ。島根県邑智郡川本町にサプリメント・健康食品受託製造大手が運用する最新工場がある。静岡県富士市を本拠地に、ソフトカプセル充填機など製造機械の開発・生産および健康食品の受託開発・製造を手掛ける㈱三協(石川俊光社長)の「島根川本工場」だ。竣工は2018年4月。それから4年が経過した現在までに生産品目はソフトカプセルから錠剤、顆粒まで拡大。健康食品GMP認証も取得した。主に、九州など西日本エリアに出荷する製品の製造を手掛けている。

 三協が島根県への進出を決めたのは2015年。顧客から製造を請け負う製品の安定生産や流通(供給)にかかわるリスクの分散や、地域経済の活性化などを目的に、同社として初めて、静岡県外にサプリメント・健康食品の生産拠点を設けることにした。

 島根川本工場の陣容は、地上3階建て延べ床面積1,500坪、敷地面積は6,500坪。稼働開始時の生産品目はソフトカプセルのみだったが、段階的に拡大。現在は、錠剤や顆粒も生産している。また、これまでに日本健康・栄養食品協会が運用する健康食品GMP適合工場認定を取得。米NSFインターナショナルが認証するcGMP適合施設としての登録も終え、健康食品製造工場としての充実化が進んでいる。

 地元雇用の従業員数も増えた。当初20人でスタートしたが、現在は約30人まで増員。工場には、同社の生産拠点である「日の出工場」(静岡県富士市)で使用しているのと同じ製造装置・機器が導入されており、各従業員は、日の出工場の生産現場で十分なトレーニングを積んだ後、島根川本工場での勤務に移る。「使用する機械は同じだから、スムーズに移行できる。コロナ禍で行き来が難しくなったが、オンライン化が進んだことで、むしろコミュニケーションの機会が増えた面もある」と同社の和田伸行代表取締役副社長は話す。

増加する受注件数 機能性表示食品を軸に

 島根川本工場の運用が軌道に乗るのと歩調を合わせるかのように、同社の業績は上向きに推移している。コロナ禍2年目、2022年5月期の健康食品部門の売上高は過去最高を記録する見通しだ。

 具体的な金額は非開示だが、前期比で2ケタの増収が見込まれる。要因について同社では「機能性表示食品制度への対応強化に伴う機能性表示食品の受注拡大に加え、お客様の販売が好調であること。また、健康食品の製造機械を自社で開発・製造している強みもある。通常の機械では対応が難しい製品の要望が持ち込まれても応じられる。機械部門のサポートが大きい」(和田副社長)と見る。

 機能性表示食品について同社では、学術部を中心に研究開発から品質管理、知財、営業までの専門チームを組織しながら、受託開発・製造から届出サポートまで積極的に展開。同社によると機能性表示食品の受託製造件数は3月末現在で360品目超と大きく伸ばしている。

 医学博士、薬学博士が在籍する学術部で機能性関与成分の研究レビューを独自に実施し届出実績を作るなどして、「機能性表示食品に関するお客様の要望に素早く対応できるよう努めている」(同)。その上で、「健康食品の製造機械に精通しているのが当社の強み。お客様の要望に合わせて機械をカスタマイズすることもできる。製造に関して『NO(ノー)』と言わないことがモットー。島根川本工場も生かしながら、引き続き機能性表示食品を軸に業績を伸ばしていきたい」と言う。

(冒頭の写真:三協が2018年4月に竣工した島根川本工場。ソフトカプセル、錠剤、顆粒の製造を行う。2019年にcGMP施設登録)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:静岡県富士市伝法573-13(本社)
TEL:0545-54-1248(日の出営業部)
URL:https://sankyohd.com/
問合わせ先:https://sankyohd.com/contact/
事業内容:健康食品受託製造、カプセル製造機械設計及び製造販売など

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