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スマホ老眼を改善する可能性 ビルベリーエキス摂取で眼底血流改善、オムニカが新論文

 ビルベリー由来アントシアニンを規格成分とする標準化ビルベリーエキスを継続的に摂取すると、スマートフォン等のビジュアルディスプレイターミナル(VDT)機器の使用で生じる眼組織の血流低下を抑え、視機能を維持できる可能性のあることが、国内で実施の臨床試験結果から示唆された。

 スマートフォン等のディスプレイを長時間視るVDT作業で目の毛様体筋が緊張し、一時的に目のピント調整機能が低下する、「スマホ老眼」と呼ばれる目の不調が生じることがある。それに対してビルベリーエキスの継続摂取は、眼組織の血流を維持して毛様体筋の緊張を抑えることで、ピント調整機能を維持したり、目の疲労感を緩和させたりする可能性のあることが分かった。

 国産ビルベリーエキスを製造販売するオムニカ㈱(静岡県裾野市)がこのほど論文発表した。現在、これに関連する別の臨床試験も進めており、今後、連続的に論文投稿する予定という。

 今回の論文は、「VDT負荷により誘導された一時的眼調節機能低下に対する標準ビルベリー含有食品摂取の効果」のタイトルで発表。無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験で効果を検証したもので、論文は今月発刊の『薬理と治療』に掲載されている。

血流評価に最新技術、変量解析を実施

 論文によれば、この研究は、VDT負荷で眼組織の血流に変動が生じるかどうか、また、経口摂取したビルベリー由来アントシアニンが眼組織血流や視機能に影響を与えるかどうかを検証する目的で実施したもの。スマホ老眼(近方視力)・眼底の一部である脈絡膜血流・眼疲労の3つを評価した。

 脈絡膜血流の評価には、眼底の血流状態を画像から観察できる最新技術、レーザースペックルフローグラフィ(LSFG-NAVI)を使用。その上で、解析ソフト(LSFG Analyzer)を使って変量解析を行い、同一の血管や組織内血流が測定の前後で何%増加、または減少したかを調べた。その結果、ビルベリーエキス摂取群はプラセボ群との比較で、VDT負荷による脈絡膜血流の低下が有意に抑制されていた。スマホ老眼、眼疲労についても、ビルベリーエキス摂取群に改善が見られたという。

 ビルベリー由来アントシアニンには、血流改善機能のあることが以前から知られている。また論文によれば、眼組織の血流を促進させる可能性のあることも1990年代に報告されていたという。最新技術によって眼組織の血流変化がランダム化ヒト対象試験で確認できたのは、今回の研究が初めてとみられる。

【石川 太郎】

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