1. HOME
  2. 特集
  3. デビルズクロー由来ハルパゴシド 繰り返されてきたRCT、古くて最新の関節ケア素材

デビルズクロー由来ハルパゴシド 繰り返されてきたRCT、古くて最新の関節ケア素材

 日常生活における膝を曲げ伸ばし時に生じる違和感を軽減する機能が報告されています──。膝関節ケア領域の機能性表示食品で一般的なヘルスクレームと思うなかれ。この機能を側面で支えているのは、1980年以降、繰り返し行われてきたRCT(ランダム化比較試験)である。2年前、50ページを超える文献レビュー論文が海外の学術誌に掲載されたデビルズクローのエキス。身体的フレイル・ロコモ対策に資する、古くて新しい植物由来関節ケア機能性食品素材を紹介する。

 その前に、関節とフレイルの関係を整理しておく。フレイルとは、健康状態と要介護状態の中間を指すが、フレイルが進み、介護が必要になる主な原因の1つに、関節疾患がある。そのリスクが特に大きいのは女性だ。

 女性(65歳以上)の介護が必要になった原因の最多は認知症で19.9%。次いで骨折・転倒が16.5%。次いで、14.3%で高齢による衰弱、14.2%で関節疾患(令和4年版高齢社会白書)が続く。変形性膝関節症(OA)の患者は男性よりも女性の方が2倍近く多いとされるが、実際、関節疾患が原因で要介護・要支援になった男性は4.6%にとどまる。

50超えるヒト試験、うちRCTが約20

 デビルズクローとは、アフリカ南部のナミビア、ボツワナ付近に生息するゴマ科の多年草植物のこと。その塊根は、100年以上前から現地先住民族の民間薬として煎じて利用してきたとされ、特に欧州では、抗炎症作用を持つ薬用植物として知られている。1960年ごろからドイツへの輸出が始まり、70年以降、同国のほかフランスなどが、そのエキスを生薬として利用するようになった。

 21年、医薬品分野の学術誌『Pharmaceuticals』に掲載されたデビルズクローに関する長大な文献(Bibliographic)レビュー論文によると、膝関節や腰の痛みに対するデビルズクロー製剤の有効性を検証したヒト試験は1970年以降、50超を数える。そのうちRCTは80年から2017年までの間に約20に上り、論文の著者は「伝統的な用途を裏付け、(効果を)肯定する多くのデータが存在する」と評価する。

 ただ、課題もある。近年の分析技術の大幅な向上によって、デビルズクローが持つ抗炎症作用の活性本体として有力視されるようになったのが、イリドイド配糖体の「ハルパゴシド」。IL-6、MMP-13、COX-2、PGE2などといった炎症性ケミカルメディエーターの発現を抑制する働きがあることが分かっているのだが、市販されている製剤中の含有量にかなりのバラつきがあるとされる。そのことは、同論文でも指摘している。

 加えて、その含有量が少なく、数%にとどまることも課題視されている。それゆえ、製剤としての1日あたり推奨摂取量が4.5~9.0gと多い。海外で市販されているデビルズクロー生薬は、ハルパコシドの摂取量を基準に製剤としての摂取量を決めているためだ。

独自の抽出精製技術で高含有化を実現

 だが、そういった課題を大きく解消した、サプリメント向けのデビルズクローエキスが最近、登場した。ハルパゴシド含量を、ケタが1つ多い13%以上で規格化したもの。開発したのは日本の植物エキスメーカーで、「ハルパコシドの濃度と純度が世界一のデビルズクローエキスだ」と強調する。富士山のふもとの静岡県裾野市に生産拠点を置くオムニカ㈱である。

 有効成分の純度を最大限まで高めた植物エキスを製造するための最新設備を駆使した独自の抽出精製技術によって実現した。日本人の健常者を対象にしたヒト試験を行い、膝関節に対する有効性を確認してもいる。1日あたり210mg(ハルパゴシドとして27mg)、最終製品としては1日当たり2粒を継続摂取することで、膝を曲げ伸ばす際の違和感が軽減されることを確かめ、論文投稿。それが、冒頭に示したヘルスクレームの直接の科学的根拠になっている。

 話をまとめる。オムニカが開発したハルパゴシド高含有デビルズクローエキスは、海外で繰り返し検証されてきたデビルズクローの膝関節に対する機能性を、健常者を対象にしたサプリメント(機能性表示食品)として、最大限コンパクトな摂取量で得られるようにしたところに革新性と意義がある。だから古くて最新なのだ。

 それに、名称こそ恐ろしいものの、植物に由来するものであり、かつ、高用量になりがちの関節ケア素材にしてはかなりの低用量。フレイル対策のために、関節のヘルスケアがとりわけ求められる女性に対して、とても優しい機能性食品素材であると言える。

【石川太郎】

〇【特集フレイル対策と機能性食品】関連記事
ターゲットとなる骨・関節・筋肉の健康維持
「機能性食品の有効活用、フレイル対策の切り札に」早稲田大学・矢澤 一良インタビュー
身体的フレイル対策と機能性食品素材① コラーゲンペプチド

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ