1. HOME
  2. 学術トピックス
  3. シミ部位の表皮細胞の分裂に着目 コーセー、肌悩みに応える化粧品開発への応用を目指す

シミ部位の表皮細胞の分裂に着目 コーセー、肌悩みに応える化粧品開発への応用を目指す

 ㈱コーセー(東京都中央区、小林一俊社長)はこのほど、シミ形成には細胞分裂の方向が関与していることを発見したと発表した。同社では、これまでもシミ部位の可視化やそれに基づくシミ形成メカニズムの解明について基礎研究を重ね、そこにアプローチする成分の開発などを通してこの肌悩みの解消に挑んできた。今回の研究は、シミ部位での表皮細胞の分裂や分化(役割をもつ細胞として成熟していくこと)に着目した。

 健常部位およびシミ部位のヒト皮膚を用いて、表皮細胞の分裂について検証をしたところ、シミ部位では健常部位に比べて、横方向の分裂の割合が増加していることが分かった。未分化細胞とメラニンの分布について確認したところ、シミ部位ではメラニンを過剰に蓄積した未分化細胞の割合が多く、基底膜(表皮の底部にある膜状構造)の上に重層化していることが確認できた。このことから、シミ部位での未分化細胞の重層化と横方向の分裂の増加には関連性があることが見出された。シミ部位では、メラニンを過剰に含んだ未分化細胞が重層化し分化が滞ることで、ターンオーバーが乱れ、シミの一因になると考えられるとしている。

 また、南東ヨーロッパを原産とするキク科ヨモギ属の多年草「ナツシロギク」から抽出し同社が開発した「ナツシロギクエキス」の有効性を探索したところ、分化した表皮細胞で作られるタンパク質であるケラチン10の遺伝子発現量の増加を確認した。このことから、同エキスには表皮細胞の分化促進効果があり、シミ部位で重層化している未分化細胞を減少できる可能性が見出された。

 さらに、同エキスは、メラニン産生細胞に対するメラニン産生抑制効果も有することが判明した。このことから、「ナツシロギクエキス」は、メラニンをもった未分化細胞の重層化の解消とメラニン産生抑制の両面から、シミに対する有効性が期待できるとしている。  
 同社では、「同研究の知見は、今後のスキンケア商品に応用していく。また、シミ形成メカニズムの解明や有用な成分の開発を継続し、お客様の肌悩みに根拠をもって応えることのできる化粧品の提供につなげていく」としている。

(冒頭の写真:ナツシロギク/同社リリースより)

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ