1. HOME
  2. メディカル
  3. コロナの真相(21)~ワクチンの「悲劇」と「ただ乗り」

コロナの真相(21)~ワクチンの「悲劇」と「ただ乗り」

(公財)食の安全・安心財団理事長 東京大学名誉教授 唐木英明

〇感染症から逃れるためにワクチンは必須であり、多くの若者が犠牲になった結核はBCGワクチンで激減した。天然痘は地上から消えた。
コロナワクチンは少なくとも1年間は有効のようだ。
〇ワクチンには効果と副反応がある。例えば子宮頸がんには年間9,000人がかかり2700人が死亡しているが、ワクチンで少なくとも半分は助かる。しかし、注射部の痛み、疲労、倦怠感、失神などの副反応があり、そんな人は「副反応が出た」と主張する。ところが、ワクチンの効果で子宮頸がんにならなかった人は、それがワクチンのためか、そうではないのか判断できない。世の中には「副反応があった」という声ばかりになり、「ワクチンで命が助かった」という人はいない。すると、多くの人が副反応を恐れてワクチンを接種せず、子宮頸がんで死ぬことになる。これが「ワクチンの悲劇」だ。
〇コロナワクチンの副反応を恐れて、感染しても無症状か軽症で済む若者が「なんとなく」接種を避ける。
国民の7割が接種すれば集団免疫ができて、特別な理由で接種できない人も「なんとなく」接種しない人も、 3割以下なら感染しない。「なんとなく」接種しない人を「ただ乗り」と呼ぶのだが、それが3割を越えると集団免疫が成立せず、特別な理由で接種できない人が感染する。
子宮頸がんワクチンは個人の利益だが、コロナワクチンは個人の利益だけでなく、集団の利益のためであり、公共の精神で判断することが必要なことも忘れてはいけない。

<著者プロフィール>
1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを歴任。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。専門は薬理学、毒性学、食品安全、リスクコミュニケーション。

※「コロナの真相」は、唐木英明氏のフェイスブックからの転載です。

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ