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クオリカプス、仏ロケット社が買収へ 三菱ケミカルグループ、全株式譲渡で合意

 ハードカプセルメーカー大手のクオリカプス㈱(奈良県大和郡山市、松村誠一郎社長)を、フランスのヘルスケア大手、ロケット社(Roquette Frères SA)が買収する。クオリカプスの全株式を保有する三菱ケミカルグループとの間で、全株式を譲受することで合意した。買収手続きの完了は今年10~12月となる見通し。ロケット社、三菱ケミカルグループ、クオリカプスの3社が先月末までに発表した。

 ロケット社は1933年設立。植物由来の食品原材料や医薬品添加材の製造販売を手がける。2022年の売上高は約51億ユーロ(約8,000億円)。従業員数は8,000人規模に上り、世界100カ国以上で事業展開しているとされる。同社は先月28日、クオリカプスの買収は、「ロケット社が健康と栄養市場における主要プレーヤーとしての地位を強化するための重要な一歩になる」などとするコメントを出した。医薬事業の拡大を目指しているとみられる。

 一方、三菱ケミカルグループでは、ロケット社へのクオリカプス全株式譲渡を決定した理由について、「ベストパートナーのもとで持続的に発展し、事業を成長させていくことが最善」だとするコメントを出した。譲渡額は公表していない。同社によると、クオリカプスの2023年3月期連結売上高は275億円。海外も含めて約1,400人の従業員を抱える。ロケット社によれば、クオリカプスの買収を完了させるには、いくつかの慣習的・法的条件が満たす必要がある。

 買収完了までは、引き続き三菱ケミカルグループがクオリカプスを100%所有・経営する。クオリカプスの松村誠一郎社長は、今後について、「新しいオーナーであるロケット社のもとで、高品質で評価の高い製品とサービスを提供し続け、創造的なアプローチを通じて顧客への価値提案の強化に努めていく」などとするコメントを出した。

 クオリカプスは、空ハードカプセルの製造販売で国内最大手。世界的に見ても大手で、第3位とされる。奈良県を本拠地としつつ、スペイン、ルーマニア、カナダ、米国、ブラジルに製造・研究開発拠点を置く。日本では昨年、食品添加物の基準外使用の判明を受け、健康食品用ハードカプセルの製造・出荷を一時停止。これにより、健康食品市場全体のハードゼラチンカプセルやHPMCカプセルが不足するなどの混乱を招いた。

【石川太郎】


〇関連記事:クオリカプス、その後の供給状況

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